毎年8月はブエノスアイレスでタンゴ世界選手権が開催されます。 よって、多くの日本人がブエノスアイレスを訪れるので、よく「ブエノスアイレスの歩き方」を聞かれます。だから、ここはひとつ日本のタンゴ愛好者の皆様に有益な情報を公開したいと思い、このブログを書きました。
1. ブエノスアイレスに行く前にダウンロードすべきマストなアプリ
(1)BA Cómo llego(ウェブ版)
ウェブでも見れますが、これは必ずダウンロード必須なアプリです。自分の住所と行きたい場所の住所を入力すると、地下鉄とコレクティーボ(バス)を駆使した行き方を自動で表示してもらい、さらに所要時間も表示されます。
(2)グーグルマップのオフライン地図をダウンロード
iPhoneの「Googleマップ」をオフラインで使い、海外旅行で通信せずに地図を見る!
詳しくは上記記事を参照してもらえればいいですが、iPhoneでもアンドロイドでもグーグルマップは現在はオフライン地図がダウンロードできるようになっており、「ブエノスアイレス」と検索して事前に必ずダウンロードしておくことをオススメします。GPSはインターネットに接続しなくても機能するので、Wifiがなくても現在位置が分かるのは本当に便利です。
(3) Hoy Milonga
これはタンゴ愛好者には必須なアプリです。毎日のミロンガの最新情報が見れ、また席の予約の際にかける電話番号、住所などもすべて一目で閲覧できるので非常に便利です。特に最近は政府によって、多くのミロンガが閉鎖されているので、当日ミロンガに行く前に再度情報を確認する必要があります。
2. ブエノスアイレスのインターネット環境について
8月はブエノスアイレスの冬に当たるので停電もあまりなく、比較的安定したネット環境です。Wifiは基本的にはどんなカフェやレストランでも利用できるので、日本とは比較にならないくらい便利です。(Wifiのパスワードを訊くときは「¿Cuál es la clave de wifi?(クアルエス デ クラベ デ ワイファイ?)」と訊いてください。)
またsimフリーのスマホを持っている人は、現地のsimカードを購入してネットに繋げることも可能です。simカードは500円くらいから購入でき、1000円くらいチャージしておけば2週間くらいは余裕で持ちます。simカードを購入するときは、アクティベーションをしているsimカードを買わないとあとでアクティベーションをするために別のストアに行く必要があります。またsimカードの購入の際は必ずパスポート原本を持参してください。
アルゼンチンには、Claro、Personal、それにMovistarという3大キャリアが存在しており、基本的にはどれも似たようなサービスを提供しています。
個人的に使ったことがあるのはMovistarとClaroですが、ネット接続のスピードに大差はありませんでした。simカードは各会社のサービスセンターで購入できるし、またパソコンストアなどでも販売しています。(こちらをクリックすると、Claroのサービスセンターが閲覧できます。ブエノスアイレス各所にあるので、お近くのサービスセンターでsimカードを購入するのが便利です)
3. タクシーの乗り方
ブエノスアイレスはsubteと呼ばれる地下鉄、それにColectivoと呼ばれるバスを駆使すれば、ほとんどの場所に行くことができます。しかし、2週間程度の短期滞在であるならば、タクシーを駆使したほうがストレスなしに移動することができます。ブエノスアイレスのタクシーはほかの中南米の国に比べると比較的安全で、タクシーの運転手もブエノスアイレスの地理に非常に詳しいのである程度は信頼できます。(公共交通機関を使う場合はSubeという日本のスイカのようなカードを取得する必要があります。これはパスポート持参すればキオスクなどで購入できます。)
ただ世界選手権の会場であるUsina del Arteは多くの人が滞在するであろうパレルモ地区からは遠く離れているので、まずは地下鉄に乗って各線の終点で降りてタクシーに乗るのが一番早く経済的です。サンテテルモ地区に宿泊しているのであれば、それほど遠くないので直接タクシーに乗って「Usina del Arte」と言えば連れて行ってくれます。(たまに「Usina del Arte」を知らない運転手もいますが、グーグルマップを見せれば連れて行ってもらえます)
(各線の終点を赤く囲ってありますので、そこで降りてタクシーを捕まえてください。)
タクシーに乗る前に行きたい場所の住所を調べておき、交差する通りの名前を覚えておきましょう。例えば、老舗ミロンガが開催されるサロンカニングに行くのであれば、「Vamos a Scalabrini Ortiz y Cabrera(バモス ア スカラブリーニオリティス イ カブレラ)」と言ってください。
「Vamos a 通りの名前 y 交差するもう一つの通りの名前」で行きたい場所に連れて行ってもらえます。住所を言っても結局はもう一つの交差する通りの名前を聞かれるので、事前に調べておいたほうが無難です。サロンカニングなど有名なところであれば、知っているタクシーの運転手もいますが、念のために通りの名前は控える、グーグルマップを見せる準備をしておくのがやたらとせっかちなタクシー運転手の機嫌を損ねないでしょう。
4. ブエノスアイレスのミロンガ情報
20代から40代ぐらいのそこそこ踊れる人は基本的にみんな同じミロンガに通っています。下記が彼らがよく行くミロンガです。住所や開催されるイベントなどの情報はミロンガやプラクティカに行く当日にHOY MILONGAで確認してください。当日キャンセルされたりすることもありますので。
月曜日:
(1) De Querusa (Práctica) 20時から深夜0時まで 日本にも先日来日したPablo y Noelia、さらにTanguito y Genoveraの2組のカップルが主催する有名なプラクティカです。週2回開催されており、木曜日は激混みですが月曜日は比較的空いており踊れます。
(2)La Bicicleta (Práctica) 23時から1時まで 年齢層はかなり若く、フレッシュな若者達で溢れています。ブエノスアイレスでは最近、ミロンガよりもこのようなプラクティカが多く開催されており、そのなかでも最も有名なプラクティカの一つです。最近、政府によって以前の場所が閉鎖されており、Hoy Milongaで最新情報をアップデートしてから行ったほうがいいでしょう。
(3)Parakultural 23時から4時まで コアな人たちはLa Bicicletaが終わってから、サロンカニングで開催されるこのミロンガへと流れます。La Bicicletaはちょっと若すぎるという人たちは最初からこのミロンガに参加するのがいいでしょう。
火曜日:
(1)Cachirulo en el Beso 21時から3時まで 男と女の熱きバトルが繰り広げられる場所です。El Besoというサロンカニングに次ぐ老舗ミロンガが開催される場所で開催され、カベセオ(身振り手振り、あるいは視線だけ)で男性が女性を誘う場所です。席を予約するときも、カップルで行くときは女性と男性別々に座ったほうが、そのガチバトルが楽しめるでしょう。(カップルで座ると、あまり女性は誘われない可能性があるので要注意です)
なにせ男性、女性が向かい同士で座らせるので、カベセオ合戦が常に繰り広げられています。
(2)Parakultural El BESOはミクロセントロと呼ばれる地区にあるのでパレルモからは距離があります。EL BESOまで行くのは面倒くさいという人や、「ガチバトルは面倒くさい」という人はこちらをおすすめします。
水曜日
(1) Cheek to Cheek (Práctica) 21時半から1時半 ここも比較的踊りに自信のある若者たちがよく行く人気のプラクティカです。けっこうスカした男女が多いので、友人知人と行くことをおすすめします。
(2)Fruto Dulce Tangos 22時半から2時半 非常にトラディショナルなミロンガで、ある意味閉鎖的なミロンガです。年齢層は比較的上で多くの常連が通っているので、内輪ノリが嫌な人にはおすすめしません。ただ、腕に自信がある男女であるならば、挑戦する価値があるかもしれません。
(3) La Viruta (Práctica) 深夜0時から4時まで 言わずと知れたブエノスアイレスで最も有名なミロンガ(プラクティカ)のひとつです。色々なイベントも開催されており、HPをチェックしていくのがいいでしょう。週末を夜中の3時を越えると無料で入場できるので多くのダンサーが集まる場所です。水曜日は早めに終わることもあるので、早い時間から混んでいます。(深夜0時が早い時間というか微妙ですが。ちなみに水曜日に行ってとても楽しい思いをしたので翌日の木曜日に行ったら、閑散としていたことがあります・・・・曜日によってここまで違うとは恐るべしですね)
木曜日: (1)De Querusa (Práctica) 20時から深夜0時まで
大会期間中は足の踏み場もないほど混みます。それが嫌ならば家で寝てから、みんなが次に行くLa Milonga de los Zuccaの開催時間まで英気を養いましょう。ちなみにこの二つのミロンガは提携しており、De Querusaで「La Milonga de los Zuccaに行く」と言うと、入場料が半額になるLa Milonga de los Zuccaのフライヤーをくれます。くれない場合はTanguitoのおっさんがそのへんに歩いているので、彼に言ってもらいましょう。(ちなみにTanguito先生は去年の世界選手権の決勝の審査員も務めた有名なダンサーです。以前から彼のクラスを取っていますが、とてもいい先生です)
(2)La Milonga de los Zucca 22時半から4時まで
ライブバンドが演奏したり、有名なダンサーのデモがあったりする素敵なミロンガです。混むので席の予約は必須でしょう。ちなみに席を予約をするときは「Me gustaría reservar una mesa para dos.(席を二人分予約したいのですが)」と言えば予約できます。携帯のテキストメッセージでも予約できるので、便利です。予約番号はHoy Milongaで確認してください。11時までに行かないと予約は取り消しと言われますが・・・・運が良ければ席がまだある場合もありますのでそのへんはアバウトです。
金曜日: 金曜日と土曜日は比較的ばらけます。みんながこぞって行くこれというミロンガがなく、好みが分かれます。唯一、みんな行くのが土曜日深夜のLa Virtaでしょう。
Cheek to Cheek (Práctica) 15時から19時まで 夕方から開催される人気のプラクティカで、働くことを放棄した若い男女の多くが参加しています。まあ、何度も言うようですがスカした男女が多いです。
El Bailongo de la Glorieta 20時から23時30分まで 好きな人は好きなオープンエアなミロンガです。「El Barrio Chino(中華街)」があるベルグラーノ地区で開かれており、パレルモに滞在している人たちにとってもそれほど遠くないので一度は行ってみる価値があるミロンガかもしれません。また女性一人でも踊ってもらえる確率が非常に高いミロンガです。
Yira Yira 23時から4時まで 年齢層はかなり高めで、場所はLa Milonga de los Zuccaと同じ場所なので、木曜日に行った人は金曜日も行く必要はないかもですが、いかなかった人は行く価値はあります。建物自体とても歴史的な建物で、ここで踊ること自体素敵なことかと。(ただこの地区は非常に危険な地区なのでタクシーで行ってタクシーで帰ることをオススメします)
Dos Orillas (Práctica) 23時から3時まで 自分の家から近いという理由でよく行くプラクティカです。ただよく閉鎖されるので、Hoy Milongaで最新情報をチェックしてください。普通のマンションの一部屋で開催しているので完全にアウトな感じがしますが、閉鎖されてもなぜかいつの間にか復活しています。Carla & Gasparのデモをここで偶然見たこともあり、運が良ければいいデモが見れますが悪ければ閑散としています。
GNC (Práctica) 22時半から4時まで 以前、Dos Orillasが開催された場所で開催していたプラクティカですが、いつまにか場所を変更されて開催していました。地元の人が比較的多くアットホームなプラクティカです。なんとなくまったりとしていて、雰囲気はけっこういいです。
土曜日: Practica DNI (Práctica) 16時から20時まで DNIという有名なタンゴスクールが開催される週1のプラクティカです。基本、いつも激混みなので、疲れます。年齢層は非常に若いですが踊りたそうにしていれば、けっこう踊ってもらえる場所なので、お一人様の女性にはオススメです。(若くなくても若く見えればOKっす)
Milonga Abierta (La Glorieta) (Práctica) 19時から23時まで 例の好きな人は好きなオープンエアな公園で開かれるプラクティカです。場所は同じでも、オーガナイザーが違うので客層も少し違います。座る場所もないので基本立ちです。ただ女性一人で行っても踊ってもらえる確率はかなり高いです。
Cachirulo 21時から4時 例のガチ・カベセオのミロンガです。開催場所はObelisco Tangoで火曜日とは違う場所です。オーガナイザーのおっさんはいつも喋りすぎですが、悪い人ではないようです・・・たぶん。
Las Morochas 22時半から4時半 El Besoで開かれるかなり年齢層の高いミロンガです。僕のミロンガデビューはここでした。まあ、おばさん、おばあちゃんに揉まれながら最初はうまくなっていくものです。あと違うルートは、La Catedralという観光客とタンゴ初心者が集まる場所で腕を磨くルートです。ただEl Besoのほうが床はいいし、踊りやすいので好きです。
Tango Club 22時半から5時まで 以前から僕が習っているJulio Bassanというおっさんがオーガナイザーをしているミロンガです。以前は、Milonga10という若者で賑わう超人気ミロンガが開催されていた同じ場所で開催されていることもあり、客層も若くまた踊れる人が多いです。
La Viruta (Práctica) 深夜0時から6時まで 深夜3時から入場無料なので、ブエノスアイレス中のダンサーが一堂に会する場所です。毎週土曜日はほかのミロンガが行っていても最終的にはみんなここにたどり着きます。そんな場所が日本にもあればいいですね。
日曜日:
Viva la Pepa 22時から2時まで パレルモ地区に滞在しているのであれば、日曜日はここに行って、深夜2時からはLa Virutaに行くというのが定石のコースです。ほかの選択肢はないくらいみなさんそのコースです。
番外編:
(1)La Catedral 毎日タンゴクラスがあり、そのあとミロンガが開催されている。観光客と初心者が多いですが、雰囲気は面白いので覗いてみてもいいミロンガです。時間はHPで確認してください。
(2) Bar Los Laureles 映画「ラストタンゴ」の撮影に使用された老舗のタンゴバーです。木曜日、金曜日、土曜日にミロンガは開催されてはいますが、友人知人と一緒に行って食事しながら、まったりする場所です。
タンゴ愛好者であるならば必見のElina Roldanの「Mi tango nació en Sarandi」という映像の撮影場所にも使用されました。ちなみにTanguito先生も出演されています。
5. タンゴスクール情報 スクール名をクリックすると、各スクールのホームページおよびFACEBOOKページに飛びますので場所や時間などはそちらで確認してください。
(1) DNI 外国人に最も人気のあるタンゴスクールです。英語とスペイン語の両方で教えてもらえるので、スペイン語ができない方にもオススメできます。またグループレッスンもレベルごとに分かれているので、初心者以外はTango3以上のクラスを取ればそれなりに楽しめます。ただビデオ撮影は許可されていないのが残念です。
(2) Escuela Argentina de Tango 踊れる外国人女性にどこでクラスを取っているか聞くと、比較的にここで取っている人が多かったので、何度か行ってみたところ確かに先生にもよりますが、非常にいいスクールです。パレルモからは遠いですが、地下鉄の駅のすぐそばでアクセスは非常にいいです。
(3)Mariposa サンテルモ地区にある有名なタンゴスクールです。パレルモからは遠いので数回程度しか行ったことがないですが、素敵なスタジオです。
(4) Clase de Tango Andres Cejas Genoveva Fernandez 場所:Carlos Calvo 3745 日時:毎週火曜日と金曜日の19時半から21時半まで
数年前からブエノスアイレスに行くたびに通っているクラスです。音楽性と華麗なステップが学べますが、基本的に地元の方々が多いので、なるべくダンスパートナーと一緒に行ったほうがいいですね。あと水曜日には上級クラスも開催されていますが、場所は違う場所なのでFBで確認してください。
では、みなさん世界選手権でのご活躍祈っております。