2008, Brazil
致命的なことはえてして、些細なことから始まる。 日本へ帰る飛行機は、夜10時発だった。 かなりの余裕を持って空港へと赴いたが、サンパウロは深夜発のフライトが多く、すでにセキュリティチェックのための長蛇の列が並んでいた。....
朝九時くらいに、ホテルをチェックアウトするために階下へと降りていった。今日はいよいよ旅の最終地サンパウロへ向かう日だ。最初に降り立ってから二週間強しか経っていないが、もうすでに随分長い間ブラジルに滞在している気がする。 チェックアウトの手続…
僕は何事にも準備を怠らない男だ。 知らないところへ行くときなどは、まずはグーグルで住所検索をし、そして乗り換え案内を駆使して、予定の時間よりも大幅に早く着くようにしている。特に海外に滞在するときは飛行機などに乗り遅れると大変なので、早朝の便…
リオの空港に着いてみると、様子がおかしいことに気がついた。 空港にあるすべての時計の針が1時間進んでいるのだ。 イグアスに行くためには、サルバドールからリオに向い、そこで飛行機を乗り換えることになっていた。僕の飛行機はリオを10時30分に発つ予定…
まだ時差ぼけだろうか・・・・・いや、違う。昨日の体験で少し興奮しているのかもしれない。目が覚めたが時計を見ると、まだ朝の五時を少し過ぎたころだった。 六時過ぎまでは我慢していたが、もうこれ以上寝れそうになかったので、階下のダインニングルーム…
サルバドール行きのバスは午後1時発だった。 それまで名残惜しむかのように、レンソンスで写真をたくさん撮った。どの街にも固有のバイブがあり、それがぴたりと合うととても気分良く、そこにいるだけで幸せな気分になる。今までそういう気分になったのは数…
たしかに8時半が約束の時間だったはずだ。 しかし、迎えにくるはずのバスは10分待っても20分待っても来ない。 場所を間違えたのかと心配になるが、昨日予約した旅行代理店はここのはずだ。 9時を回って頃にようやくバスが来て、「ユウキ!」と呼ばれた。今回…
当初はレンソンスに二日ほど滞在して、サルバドールに戻る予定だったが、滞在を一日延長した。一日どころか、もうニ、三日滞在してもいいと思ったが、このあとの日程がきつくなるので、それは諦めた。 レンソンスは豪華な朝食で有名なところで期待していたの…
まるで冷凍庫のようだ。 サルバトールのバス停から、レンソンス行きのバスに乗ったのだが、冷房が効きすぎて、半袖短パンではとてもではないが耐えられそうになかった。幸いなことに、バスのなかに衣類の入ったリュックも携帯しており、奥底に埋まった長袖の…
朝起きると、自分が一瞬どこにいるのか分からなくなった。 ドミトリーの二段ベットの上段に寝てたので、身体感覚が少しおかしくなっていたのかもしれない。目を開けると、数人の人たちが寝息を立てているのが見える。他人が寝ているところを見るのは、実生活…
翌朝、起きると早速荷造りに取り掛かり、ホテルを出ることにした。ロケーションは最高だが、さすがに毎晩のように大音響で音楽が鳴り響くホテルにはいられない。ホテルを変えるついでに、違う街へ行こうと思った。 二、三日違う街に滞在して、またサルバドー…
今日は日曜日ということもあり、街は静かだ。ほとんどの店は、店を閉めている。夜になれば、街には喧騒が広がるだろうが、日が出ているうちは息を潜めて、じっと暴れる機会を伺っているようだ。昨日のうちに旧市街のペロウリーニョは歩き尽くした感があるの…
朝の四時半に起きて、タクシーに乗り込みリオ国際空港へ向かった。 相変わらず安物の目覚まし時計はデタラメな時間を示すので油断ならないが、早起きは得意なのでこんな時間でもばっちり目は覚める。 タクシーは昨夜のうちに手配しておいたのだが、このおじ…
リオは今日も快晴だ。 サンパウロではまったく天気に恵まれなかったが、リオでは晴れることが当たり前らしい。昨日のサンドラの話ではリオでも雨が降るらしいが、今はそんな気配すら感じられない。彼女いわく、雨のリオは最低だとのことだ。「雨のイパネマ」…
やはり時差ボケなのか朝4時半には目が覚めてしまった。これから向かう国際空港から旧国際空港までどれくらい時間がかかるが分からないが、時間的余裕は十分あるだろう。ホテルから地下鉄の駅まで歩いてすぐだったので、地下鉄を乗り継いでバス乗り場に向か…
目が覚めると、あたりはまだ真っ暗だった。成田空港で買った安物の目覚まし時計は8という数字を示しているが、明らかに8時ではないことだけは確かだ。今から起きても仕方がないが、妙に目が覚めている。窓からは東洋人街名物の鳥居が見えたので、暇つぶしに…
サンパウロの空港に降り立ったのは、日本を経ってから24時間近くを経過した2008年1月1日午前10時半だ。新年を迎えたのは、ニューヨークからサンパウロへ向かうどこかの空の上になる。生まれて初めて、まったく無意識のうちに新年を迎えてしまった。何かと祝…