Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

people

パレスチナを遠くに想う。

パレスチナは遠い。 中東は僕がこの世界で、旅するのを唯一避けている地域でもある。 宗教的な事柄について無縁に生きてきた人間にとっては、かの地は旅するにはあまりに重い土地である。 20歳の頃に、イスラエル人のエイタンという二歳年上の男に出会った…

GOING TO LONDON

きっかけはささいなことだった。 とある日の深夜、ぼーとしながらHISのHPを見ていたらヴァージンアトランティック航空のロンドン行きチケットがやたらと安かった。燃料費込みでも11万円くらいだったので、とりあえず予約してみた。オンライン予約だったの…

初夏のある夜

人との出会いは、不思議なものだ。 先週、8年前ほど知り合った友人の誕生日パーティーに行った。 彼が主演を努めた「ハブと拳骨」という映画の公開記念イベントも兼ねていたので、それは盛大なものだった。 もともとはモデルの女の子からの紹介だったのだが…

最後の夜

朝九時くらいに、ホテルをチェックアウトするために階下へと降りていった。今日はいよいよ旅の最終地サンパウロへ向かう日だ。最初に降り立ってから二週間強しか経っていないが、もうすでに随分長い間ブラジルに滞在している気がする。 チェックアウトの手続…

ロマンティストよ団結せよ!

僕は何事にも準備を怠らない男だ。 知らないところへ行くときなどは、まずはグーグルで住所検索をし、そして乗り換え案内を駆使して、予定の時間よりも大幅に早く着くようにしている。特に海外に滞在するときは飛行機などに乗り遅れると大変なので、早朝の便…

Not once, even twice!

まだ時差ぼけだろうか・・・・・いや、違う。昨日の体験で少し興奮しているのかもしれない。目が覚めたが時計を見ると、まだ朝の五時を少し過ぎたころだった。 六時過ぎまでは我慢していたが、もうこれ以上寝れそうになかったので、階下のダインニングルーム…

DAY TRIP

たしかに8時半が約束の時間だったはずだ。 しかし、迎えにくるはずのバスは10分待っても20分待っても来ない。 場所を間違えたのかと心配になるが、昨日予約した旅行代理店はここのはずだ。 9時を回って頃にようやくバスが来て、「ユウキ!」と呼ばれた。今回…

癒しのレンソンス

まるで冷凍庫のようだ。 サルバトールのバス停から、レンソンス行きのバスに乗ったのだが、冷房が効きすぎて、半袖短パンではとてもではないが耐えられそうになかった。幸いなことに、バスのなかに衣類の入ったリュックも携帯しており、奥底に埋まった長袖の…

サンドラ

やはり時差ボケなのか朝4時半には目が覚めてしまった。これから向かう国際空港から旧国際空港までどれくらい時間がかかるが分からないが、時間的余裕は十分あるだろう。ホテルから地下鉄の駅まで歩いてすぐだったので、地下鉄を乗り継いでバス乗り場に向か…

ブラジル上陸

サンパウロの空港に降り立ったのは、日本を経ってから24時間近くを経過した2008年1月1日午前10時半だ。新年を迎えたのは、ニューヨークからサンパウロへ向かうどこかの空の上になる。生まれて初めて、まったく無意識のうちに新年を迎えてしまった。何かと祝…

タクという日本人

19、20歳のころは狂っていた。 なにも比喩的な意味ではなく、事実かなり頭がおかしくなっていた時期だ。 証拠を上げたらきりがないが、そのひとつにイギリス留学中は一切日本語を話すことを自分自身に禁じたことだ。 なぜそんなことを自分に課したかは今とな…

サイモン

今回のロンドン滞在で、10年ぶりにサイモンに会った。 彼とは僕が初めて行ったエディンバラの語学学校以来の仲になるので、正確に言うと12年ぐらいの付き合いがある。 英語が全く話せない頃からの付き合いなので、サイモンは僕に会うたびに「きみの英語は、…

マリア

年末年始はロンドンに滞在した。 短い滞在だったが、久しぶりに会う友達と旧交を温めて、やはり住みやすい国だなと思った。 僕がロンドンに住んでいたのは10年近く前で、しかも滞在期間も一年半程度だった。 それでも、その頃仲良かった友人たちはまだロンド…

マグナム

今日、注文していたリーズ・サルファティ(Lise Sarfati)の写真集が届いた。 彼女は、アムステルダムで開かれたドキュメンタリーカメラマンためのワークショップで、僕の教官だったので、少なからず興味を覚えていた写真家だ。 日本ではそれほど知られてい…

さらば2005年

くそ忙しい年末にぎっくり腰になった。 そして、そんな日にロンドン時代の友人のゴウくんが我が家にやってきた。 僕の腰は人類の進化過程に例えると、猿人なみの曲がり方をしており、かといって六年ぶりに日本に帰ってきたゴウくんを歓待しないわけにはいか…

パリな夜

昨日はシンガポール人のアーネストに会った。 パリで別れて以来だから、二年以上も会っていない。 彼とはアムステルダムで開かれたドキュメンタリーカメラマンのワークショップで会ったが、それほど頻繁にやり取りをしていたわけではない。 そんな感じなので…

GENE BOYDに捧ぐ

ジーン・ボイドのことについて書こうと思う。 彼が亡くなってから、もう半年ほど過ぎた。 彼と出会ったのはアムステルダムで開かれたドキュメンタリー・カメラマンのための ワークショップだった。 笑顔がデフォルトのやつだった。 僕のなかでは笑っている彼…