Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

このかけがえのない世界で想うこと。

メキシコ人の親友アビマエルが、僕がメキシコシティから去る時に、「ユウキにとって、このメキシコシティに過ごした2年間はどのような意味を持つの?」と真顔で聞いてきた。

 

メキシコ最後の夜 - Keep My Word

 

そのときもうまく答えられなかったが、今でもまだその答えは見つかっていない。ただ、ひとつ言えることはメキシコシティで過ごした2年間が自分の人生にとってもっとも多くの人と知り合った期間であるということだ。

 

今現在、プライベートな要件でメキシコ在住で、信頼のおける弁護士が必要になったが、すぐに3人ほど頭に浮かび、そのうちに二人とすでにコンタクトを取り、案件を進めている。

 

日本にもう何十年も住んでいるが、弁護士の知り合いなんて一人もいない。

 

海外、とくに発展途上国で信頼のおける友人は何者にも変えがたい宝物だ。アルゼンチンにも信頼のおけるマウロという友人がいて、彼に処分したい家具があると連絡したら、すぐに彼の友達に連絡してくれて、ものの5分で10人くらいの人たちから連絡があった。

 

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(上記のようにマウロくんには世話になりっぱなしで、今世で借りを返せなければ来世で返そうと思っている)

 

世の中には善意で溢れている人たちがいると認識することは、とても重要なことだ。特に発展途上国に長く過ごすと、心が荒んでくるので、彼らの存在を感じるだけでも励まされることが多い。

 

自分にとってメキシコシティで過ごした2年間を美化するつもりもないが、こうしてみると悪くない2年間だったのではと思える。

 

メキシコシティに10年近く住んでいる日本人の友人がいるが、彼はメキシコ人の友人なんて一人もいないと嘆いていた。それは彼のせいだけではないと思うが、それはそれで悲しいことでもある。

 

メキシコやアルゼンチンのような発展途上国に住むまでは、「人類みな平等」と思っていたが、実際そんなものではない。やはり先進諸国に生まれた人たちは、生まれながらにしてとてつもない大きなアドバンテージを持っていると実感した。

 

時々、人から「なぜ好き好んでメキシコやアルゼンチンのような国に住んだのか?」と聞かれるが、きっと今まで見たことのない風景を見たかったのだと思う。同じ先進諸国に住んでも、見える景色にそれほど大差ない。

 

多くの人は生まれた国、環境に左右されるが、アビマエルやマウロのように、それを超越して、友人になれる場合がある。世界は圧倒的に不公平だし、不条理だと思うが、それでもそれを乗り越えることはできる。

 

だからこそ、世界は多少汚れてはいても、美しい。