Keep My Word

19歳から旅を始めて、スコットランドで英語を学び、アルゼンチンでスペイン語とタンゴを学び、メキシコではサルサをかじり、オンライン英会話/スペイン語スクールを運営している男のブログです。海外滞在歴10年、50カ国ほどぶらぶらしました。

英語学習の未来:AIと機械学習と音声認識エンジン、それにバーチャル先生。

e-ラーニング、特に英語学習の分野はここ10年で様々なサービスとアプリがリリースされてきた。うちも運営するオンライン英会話スクールもそのなかでは革新的なサービスだったし、Duolingo やDMMが買収したiKnowなど様々なサービスがリリースされてきている。

「なにかを学ぶ」ということにおいて、最終的なキラーアイテムは、「優秀な先生」だ。だからこそ、エキスパートたちの知を結集したudemyカーンアカデミーが世界中で人気になるのは当然だ。

さらに最近、日本ではスタディサプリ、また弊社が提携しているベリタスアカデミーも同じようなアプローチをしている。

studysapuri.jp

veritas.bz

 そして、「優秀な先生」を定義すると、質の高いレッスンをする先生となる。そして、質の高いレッスンとはと紐解くと、以前ブログで書いた「学習者のレベルよりちょっと難易度高めのコンテンツ」を提供し、「コミュニケーションを通じて言語を獲得する瞬間」を提供することだ。

keepmyword.hatenablog.com

 そのような意味で楽天が提供しているエストニア生まれの「Lingvist(リングビスト)」は面白い。

english.rakuten.co.jp

このサービスのキモはCEOであるMait Müntel氏(マイト•ミュンテル)がライフハックのインタビューで語っている。

 

初めてLingvist を使うユーザーが、ある単語群に対して学習したパフォーマンスを測定します。ここでは、どのような単語を、どのように、どれくらいの時間をかけて間違えた(あるいは正解した)、などの情報が学習パフォーマンスです。次に、機械学習で、そのユーザーと苦手な単語およびその学習パフォーマンスが類似している既存のユーザーをグループ化します。そして、同一グループ内にいる既存ユーザーの忘却曲線に類似した曲線を適用します。学習パフォーマンスが類似しているユーザー同士は、忘却曲線も類似する傾向にあるからです。

忘却曲線は、その後ユーザーが使うたびに、本人の実際の学習データに基づいて調整されていきます。

個々のユーザーの忘却曲線に合わせ、それぞれのユーザーが次に学んだら最もインパクトがある単語を、AIを使って予測します。

 ようは、今まで優秀な先生がその生徒にあったレベルを教材を用意していたのが、AIと機械学習により同じことが可能になったということだ。

自分自身も経験があるが、自分のレベルに合わない教材で外国語を学習するのは苦痛で仕方がない。また個人の外国語の使用用途、嗜好にあった教材も当然提供することが可能になるので、学習するモチベーションがますます高まるだろう。

そして、この優れたプログラムを使えば、7時間の学習で、英語の日常会話に必要な語彙の80%を理解できるようになることだ。

 

私たちはつい最近、ユーザーの学習データの分析結果からある素晴らしい発見をしました。

ユーザーは1人ひとり学習サイクルが異なります。週末だけの人もいれば毎日の人もいる。しかし、どのようなパターンで学習したとしても、2000語習得までの総時間は、17時間だったのです。2000語という数字は、主な言語の80%の語彙を理解することができる単語数です。

 一人一人の忘却曲線に合わせて出題する単語を変えるので、このようなことが可能になるのだ。

ただ英語を学習する上で、日本人の弱点となるのは、文法と発音だ。例えばスペイン語話者であれば英文法はスペイン語文法の廉価版にすぎないので、単語を覚えるだけでもある程度話せるようになる。

TOEIC900点以上取った日本人が英語を話せないと揶揄されるのは、そこを克服できないからだ。また発音トレーニングもしないと当然話せないので、そのようなプログラムも今後提供していく必要がある。

www.bloomberg.com

 

その意味では、音声認識エンジンを使って発音を判定するプログラムも有した中国のアプリ「LiuLiShuo」も今後急成長が期待できるアプリだ。(早く日本語版を作って欲しい・・・)

これからの外国語学習は、AI、機械学習、音声認識エンジン、それにテキストを自動で読み上がるText to Speechエンジンを組み合わせて、「優秀な先生」の代わりとなるより精緻なアプリが主流になってくるのだろう。

ここ10年のこの業界の発展を考えみると、あと10年もすれば好みのAI(容姿や性別、キャラ、国籍など選び放題)が今の先生たちに取って代わる世界が来ることを容易に想像できる。

そんな世界は味気ないと思っていても、きっとARやVR、3Dホログラムで実際に存在するかのような先生が現れば、みんなそっちがいいと思うに決まっている。

ただ、結局のところどんなにテクノロジーが発達しても、英語(あるいは違う外国語)をマスターするには、本人のモチベーションが一番重要であることは代わりない。

言い換えれば、モチベーションさえ高ければ、テキスト1冊でも十分外国語を習得できる。

いつも思うけど、多くの日本英語学習者が英語を話せないのは、そのモチベーションが十分ではないのに、「英語学習をなんとなく始める」からだけのような気がする。

ただそんな人のためにも、より効率的に学べるアプリやサービスがどんどんリリースされるのは僥倖だと言えるだろう。

ぜひお試しください。