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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

八十歳のアリアと天才になるための法則について

八十歳のアリアを読んだ。

 

 

人は天才は圧倒的な才能によるものだと勘違いしているが、この本を読むと、単純に圧倒的な情熱と努力によるものだとわかる。

天才たち本人は努力を努力と思うことなく、粛々と自分に課した日々の日課をこなしているだけだ。彼らはそれがいつか身になることを信じているし、実際に多くの場合その努力は報われる。

糸川英夫氏が六十二歳からバレエを始めて、たんすの引き出しの一番下に毎日新聞一枚づつ足していて足を上げていき、一年三ヶ月後には楽々足を真上まで上げられるようになったくだりなどは最たる例だと思う。

目標を決めて、その目標到達のための方法を編み出し、それにかかる日数を計算して、あとは迷うことなくやるだけ。

 

天才になるのは実に簡単なことだ。

 

例えば英語を習得するのに1000時間かかるとしたら、毎日3時間勉強することにして、1年もしたら英語を話せるようになるということだ。1年のあいだ英語を勉強していることを周囲に漏らさなければ、1年後に急に英語を話すようなったあなたを人は「天才!」と呼ぶだろう。

 

何かを習得するための法則は非常にシンプルで、なるべく短期間の間により多くの時間を自分の習得したいスキルに割けるかだ。

 

例えば、僕は先週から中国語の勉強を始めたが、ある程度の日常会話を話せるようになるのに1000時間かかると仮定しよう。今、1回1時間のオンラインレッスンを週3回している。宿題と予習に1時間かけているので、1週間の勉強時間は6時間しかない。今のペースで勉強しても、そこそこ話せるようになるには3年以上かかる計算となる。

正直、今のペースだと中国語を話せるようにならないとは思うので、勉強時間を倍に増やすか、短期的な中国留学を繰り返して、勉強時間を増やすしか方法はないと思う。

いつまで経っても英語を話せるようにならない!」「いつまで経ってもタンゴが上手に踊れるようにならない!」「いつまで経っても何も身につかない!」という人はただこの法則に照らしていないだけだと思う。

 

そして、何かを習得したい場合、その道のプロに教えを乞うのがベストである。(先生選びを初期の段階で間違えると、壮大な遠回りをすることなることが多々ある。)

 

人間、毎日何かを続ければ、その何かを習得することはできると思うが、問題は自分自身が情熱を傾けられるその「何か」を見つけるのがとても難しいということだろう。

誰もが糸川英夫氏のように多くの分野で「天才」になれるわけでもなく、またなる必要もない。

たった一つでも自分の人生で多くの時間を割けるものが見つかれば、その人たちはすでに幸運だと言える。