Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

人生は儚く、また愛しいもの

年末、メキシコ人の親友アビマエルのいとこから、フェースブックを通じて連絡をもらった。 彼女とは一度一緒にアビマエルと三人でランチしたことがあるだけで、フェースブック上でもとくにつながりがなかった。

そんな仲なので、いい知らせであるわけがなく、アビマエルが交通事故に遭い、今から脳外科手術をするという内容だった。

彼女はアビマエルから言付けを預かっており「ユウキに頼んで、みんなにフェースブックを通じて自分になにがあったかの伝えて欲しい」ということだった。そして、彼のルームメイトのアレックスにも連絡してくれとのことだ。

詳しく何があったのか訊くと、アビマエルが乗っていた車が横転して、かなりひどい状態らしい。同乗していた兄弟も事故に巻き込まれて、同じ病院に入院することになったとのことだ。

アビマエルは常日頃から、「僕にはそんなに多くの友だちはいない。本当に友だちと言えるのは、ユウキとルームメイトのアレックス、それに同僚だったマレアーノだ。」と言っていた。だが、自分は今メキシコから遠く離れた日本にいる。けれども、なぜかみんなに知らせる大役を授かり、アレックスと連絡を取り、マレアーノともなんとか連絡が取れた。 (彼ら二人とはアビマエルを通じて何度も顔を合わせていたが、とくにフェースブック上繋がっていなかったし、アレックスの連絡先はパリに住んでいる女友達のノエミに訊くというある意味世界的なオペレーションとなってしまった)

手術は無事済み、一週間入院したあと、一ヶ月のあいだ自宅療養する必要があるという。 電話で話したアビマエルはひどく気落ちしていたようなので、今年時間あれば見舞いがてら彼に会いにメキシコに行ければと思っている。

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アビマエルが事故に遭った」と聞いた時はひどく動転した。

また彼がもしこのまま死んでしまった時のことまで想像すると・・・・正直、悲しみよりも圧倒的な怒りが湧いてきた。アビマエルは自分よりもひと回り以上年下だし、これから結婚して家族を作って、幸せな家庭を築いていくであろうと漠然と想像していた。

それなのに、こんな事故のせいでそれが叶わなくなったらと思うと、やはり怒りしか湧かなかった。「死んだら、コロス」というなんだか相反する感情に支配された。

きっと親兄弟や親友が同じ目に遭うと、このような感情を抱くのだろう。 せめて、親よりも長生きすることが、最低限の親孝行なのだろう。

そして、携帯が事故で大破すると、世界に3人しかいない友達に連絡するのにもこんなに苦労するのだと思った。

人が思っているほど、人の人生は安泰ではなく、一瞬先は闇とは言えないまでも、実際なにが起こるか分からない。本当に大切な友だちにはアビマエルのように素直に自分の気持ちを相手に伝える必要があるし、親兄弟にも感謝の気持ちを伝える必要がある。

人の人生は儚く、もろく、人の感情もまた矛盾したものだ。

人生が美しいものに思えたり、愛おしく感じるのは他者を通じてであり、そのような人たちとの出会いは本当に貴重なものであり、これからも大切にしていきたいと思う。

Happy New Year!