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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

20時間で習得するスキルのすすめとタンゴについて

誰も知らないかもしれないが、毎年8月にはアルゼンチンの首都ブエノスアイレスでタンゴ世界選手権という世界大会が開催される。

2011年から2年ほど住んだ街だが、その頃は「へえー、タンゴに世界選手権なんてものがあるのか」と思っていた次第だが、今年は実際に現地に行ってみて、予選から準決勝、それに決勝とすべて見た。

アメリカ人作家マルコム・グラッドウェルが「天才! 成功する人々の法則」で、第一線のプロとして活躍するには1万時間の練習時間が必要であると提唱した。

このような大会で準決勝や決勝と勝ち進む人たちはきっとそれくらい練習しているだろうし、実際に日本やブエノスアイレスで習っている先生たちを見てみても、それくらいは練習している。それでも、本当のトップとして活躍できるのは限られた人たちだろうとは思う。

それに野球やサッカー、テニスやゴルフなどといったスポーツと違いタンゴの場合は目に見えるような結果がないので、練習や努力ではどうしようもできない部分も大きい。

タンゴ世界選手権にはピスタ部門とエセナリオ部門があるのは、エセナリオ部門で優勝したのは、上記の彼らだ。動画を見てもらえれば分かると思うが、独特の世界観でタンゴを表現しており、練習でこのような表現が身につくとは思えないのも事実だ。

そして、これがピスタ部門の優勝者だ。

タンゴを踊っていない人から見れば何がいいのかわからないとは思うし、正直決勝に残っていたほかのダンサーたちとどこがどう違うのか聞かれても分からないほどの僅差しかない思う。だが、そのような微妙な世界で戦っているのがタンゴのプロダンサーなのだろう。

でも、きっとタンゴの魅力はそういった目に見えない部分が大きく、個人個人が自分のタンゴを表現できる自由があるから、みんな夢中になるのではと思う。

また先に挙げた1万時間の理論だが、これはあくまで第一線のプロとして活躍している人たちを研究した結果であって一般人には当てはまらない。

TEDで有名な講演である「一人前になるには1万時間必要」は誤りだった! たった20時間で新たなスキルを身につけられる4つのコツ」によれば、意識的に練習に取り組めば20時間である程度の結果を出すことも可能ということだ。

1万時間と考えると気が遠くなるが、20時間だと誰でも捻出できる時間だ。

20時間でタンゴや英語、スペイン語が習得できるとは正直思えないが、「20時間を1セットと考えて、20時間でどこまで上達できるか目標を設定する」ことはどのようなことを取り組むにせよとても有効な方法だと思う。

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人はいくつになっても、新しいことをいくらでも習得できるし、またそれに伴って人間関係がどんどんと変化していく。それは趣味や仕事に限らず同じだろうとは思う。

忙しさにかまけて何もしないよりは、「20時間」を捻出して、なにか新しいことを習得することを目指して具体的な計画を練る方がより豊かな人生を送れることは間違いないだろう。