Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

本日も快晴なり

リオは今日も快晴だ。
サンパウロではまったく天気に恵まれなかったが、リオでは晴れることが当たり前らしい。昨日のサンドラの話ではリオでも雨が降るらしいが、今はそんな気配すら感じられない。彼女いわく、雨のリオは最低だとのことだ。「雨のイパネマ」ほど似合わないものはないので、彼女の言い分はまったく正しい。

朝からイパネマのビーチを散歩するが、昨日のグルマリに比べれば、かなり見劣りをしてしまう。リオに二週間ぐらい滞在すれば、ビーチライフの楽しさを味わえるかもしれないが、今回は目的が違うので、次の目的地へと向かうことにした。

Brazil

ブラジルに来ると決める前に、NHKでたまたまサルバドールの特集をやっていた。ひどく詩情あふれる映像で、どうしても実際に見てみたくなった。ブラジルの黒人文化の中心地で、音楽と熱狂の街だ。一説にはリオのカーニバルより、サルバドールのカーニバルのほうがより過激で暴力的だという。また中心街は世界遺産にも指定されるほど、カラフルで特色に富んでいる。

インターネットカフェに赴きGOLという航空会社のホームページで、オンライン予約をする。今度は間違いないはずだ。この航空会社は前もって予約すれば価格は安くなり、僕みたいに前日予約するのが最も損する予約方法らしい。そうはいっても、僕のような人間は行き先なんて気分次第で決めるので、事前に予定を決めるというのは不可能に近い。(ちなみにGOLは外国人だとなぜかアメックスでしかクレジット決済できないから要注意だ)

一番安い早朝のフライトを予約し、明日の予定は決定した。

あとは今日という日をいかに楽しむかだが、たまには観光客らしいことをしてみようと思い、シュガークリフに登ることにした。

Brazil, sugercliff

本当はあの有名なキリスト像を見れると思って行ったのだが、それはコルコバードの丘という対面にある丘らしく、僕の完全な勘違いだった。(原因は旅のお供に英語版のロンリープラネットを持参しており、それがやたらと分厚いのでまともに読む気が起きず、適当に流し読みして行き先を決めているからだろう)

シュガークリフもさすがに有名な観光地だけあって十分に見ごたえはあった。対面には小さくキリスト像が見れ、なるほどあれが有名なキリスト像かと思い、写真を撮った。

そのあとはリオの中心街に行き、昼食を取った。サンパウロよりはるかに活気があり、魅力的な街だと思った。こういう土地はつかの間の時を過ごすよりは、じっくり腰を落ち着けて住むほうがより適している。

Brazil

ゲーテがローマを訪れたとき「ローマは一つの世界であり、それに精通するには数年を必要とする。それゆえ、上辺だけの見物をして立ち去る旅行者を見るとかえって羨ましくなるほどである」と書いたが、きっとリオにもそれが当てはまる。

僕みたいな旅人は、ほんとうは上辺だけしか見ることができないのかもしれない。写真にしても、その国にずっと住んでいる人が撮る写真と、2、3週間しかいない人間が撮る写真には歴然の差がある。ただそのことを理解しながらも、それでもその国に行き写真を撮るという行為に、僕は自分なりの意義を感じる。

明日はサルバドールだと思うと中々興奮して眠れなかったが、黙っていても明日は来ると思い静かに夜の時間をやり過ごした。
きっとこれからは留まることを覚えることが必要だと思う。ずっと腰を落ち着けて、愚直にひとつのものを追い続けることで、なにか違ったものが見えてくるかもしれない。