Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

馬鹿への旅

うなるような暑い日々が続いている。
毎朝、汗だくになりながら、何とか浅い眠りを貪っている。
そんな日本を逃げ出すかのように、明日からサムイ島に行く。

タイに行くのはこれで三度目だ。
いつも通過するばかりで、ゆっくり滞在したことはなかったが、今回も一週間程度の滞在しかしない。それでも、この蒸し風呂のような日本をつかの間でも抜け出せることに感謝したい。

ブラジルで非日常的なほど危険な毎日を送っていたときは、「今度、旅をするならば絶対にリゾートがいい!」と心に決めていた。馬鹿になるほど平和なリゾートで、ゆっくりしたいと思ったのだった。
だが、今回は16日にバンガン島で開かれるフルムーンパーティーという悪名高いパーティーに参加予定なので、そうそうのんびりできる旅ではなさそうだ。

そして、今回はここ10年間で初めての男二人旅だ。
いつも気軽な一人旅なのだが、たまには気分が変わっていいかもしれない。
きっとだらだらとプールサイドでビールでも飲みながら、本でも読む毎日になるだろうと、 2500円分ほどの文庫本を今日買ってきた。旅の準備は万端なのだ。

ブラジル、タイとビールが安くておいしい国は、健康には良くない。
だが、ブラジルではきんきんにビールは冷えているが、タイではなかなかそうもいかず、氷を入れたりして 飲まないといけない。そうして、だんだんとおなかも壊してしまう。 今回はそんなことにならないように十分に注意するつもりだ。

前回のタイ旅行では、ケオというタイ人の写真家にバンコクを案内してもらった。
彼は僕が人生で会ったなかでも最もクレイジーな部類に入るやつなので、今回は会うかどうかは微妙だ。
会ったら会ったで楽しいのだが、その代償にウイスキーをしこたま飲まされて、大変な目に遭うのは火を見るより明らかだ。今回はバンコクには一日しかいないので、たぶん会うこともないだろう。

きっとタイのような国は、何年過ごしてもつまみどころのない国として、記憶に残るだろう。 インドやブラジルのような強烈な印象を受けることもないが、どこかミステリアスな国として、ずっと頭の底にこびりついている。同じアジアでもここまで日本と極端に対照的な国も珍しい。
(日本と似た国が果たしてアジア、あるいは世界にどれだけあるか疑問だが)

毎年夏になると、一ヶ月くらいバカンスを取りゆっくり旅をしたいと思う。
日本の真夏で正常な精神を維持して働くなんて、それこそ異常なことだ。
どうせ効率なんてあがりっこないし、一歩外に出れば灼熱地獄が待っている。
しかし、それでも働いてしまうのだろう。それはそれでとても尊敬に値する。
だけど、たまにはみんな馬鹿になってプールサイドでうだうだするぐらいのバランスを取るのがいい。
人生なんて真剣に考えようが、気楽に考えようが結果はたいして変わらないのだから。

それでは、アディオス!