Keep My Word

19歳から旅を始めて、スコットランドで英語を学び、アルゼンチンでスペイン語とタンゴを学び、メキシコではサルサをかじり、オンライン英会話/スペイン語スクールを運営している男のブログです。海外滞在歴10年、50カ国ほどぶらぶらしました。

イスタンブールにて

イスタンブールへは、easyjetという格安航空会社を使って行った。
数年前にも使ったことがあったが、今回乗って驚いたのは全席自由席ということだ。徹底したローコストにこだわった結果だと思うが、自由席の飛行機に乗るのは少し違和感がある。昔、エディンバラからダブリンに飛んだときは小型セスナ機のような飛行機で、機体が傾くと席もそれに沿って傾くという代物で肝を冷やしたが、今回はそれとは違う驚きがあった。

Turco, Istanbul

イスタンブールに着いて一番最初に思ったことは「寒い」ということだ。そもそも寒さを避けるためになるべく南へ行くことにしたのだが、想像よりも全然寒かった。これならトルコとは違いイスラム教の戒律が厳しく、ビールすらなかなか手に入らないエジプトに行ったほうがよほどよかったかもしれない。寒さを取るかビールを取るかの二者択一なら当然ビールだと思ったが、これほどとは思っていなかった。

そして次に驚いたことは、トルコのみなさんはやたらと親切だということだ。空港からバスで市内へと向かうことにしたのだが、バスに乗っていたトルコ人にホテルまでの行き方を訊くと、途中で地下鉄に乗り換えなければ行けないと言われ、そこまで連れて行ってくれた。彼は自分が降りるべき駅ではないのに、わざわざそこで降りて乗り換えの駅を差し示して、「よい旅を!」とさわやかに言い残して、どこかへと消えてしまった。

所さんの「ダーツの旅」風に言うと、「第一村人発見!」でそこまで親切な人に出会うと、トルコの人みな親切という固定観念が頭に出来てしまう。しかし、その固定観念を見事に打ち破ってくれたのが、旅の盟友ゴウくんだ。

彼は僕よりも二日遅れてイスタンブールに着き、僕はそのあいだイスタンブールから飛行機で一時間半のところにある奇岩で有名なカッパドキアに行っていた。彼が着いたその日の夜に、カッパドキアで知り合ったばかりの人と楽しくバーでビールを飲んでいた僕に「やられた」とゴウくんからの電話があった。

Turco, Istanbul

話はこうだ。
イスタンブールに着いた彼は、早速街へと繰り出し、犬も歩けば棒に当たるがごとく、ひたすらトルコ人から声をかけられ、そのほとんどの誘いに応じて土産物屋(そのほとんどがサクラという同じ土産物屋の勧誘らしいが)に行き、チャイを飲みながら歓談していたという。もちろん、土産なんて一切興味のない彼は、ただ話をしていただけだし、トルコ人のほうも英語が話せる日本人が珍しいらしく楽しそうに応対していたらしい。そこまでは良かったのだが、そのなかの一人にたちの悪いトルコ人がいて、一緒にディスコに行こうと言って彼を連れ出したらしい。

ただのディスコだと思って付いて行ったゴウくんは、席に着くなり女の子がその席に座り、食べ物やら果物やらが出された時点にすぐに異変に気づき、「なんやねん、これ」と思ったらしい。早速、連れて来たトルコ人(やたらとスタイリッシュで身なりが良い)につかみかかり、「おまえふざけんなよ、これおかしいやろ」と押し問答になり、とにかく自分の分のドリンク代だけを払うからもう出ると言ったとのことだ。しかし、女の子のドリンク代も払えと言われ、「よっしゃ、わかった。いくらや?」と言って日本円にして合計8000円くらいのお金を置いて、そのディスコを出たらしい。

これは本当にラッキーな例だと思う。ほかの人はただでは帰れず、お金をきちんと支払わない場合は、別室に連れて行かれ、ぼこぼこにされた挙げ句ATMで連れて行かれて有り金全部引き落とされる人もいるらしい。

http://kassi.seesaa.net/article/1640062.html
(同じディスコではないと思うが、実際色々と怖い目に遭っている人は多い)

しかし、そこはロンドン在住11年の関西人ゴウくんである。多少のお金はぼられたが、それだけで済んだのは本当に幸運だ。それに彼はこの後ずっとこの話を会う人全員に披露していたので、話のネタ代と思えば、おつりがくるほどだ。ちなみに僕はイスタンブールでは誰一人からも声をかけられることはなかったし、チャイをご馳走になることもなかった。ゴウくんいわく「おれはやたらとフレンドリーな雰囲気を醸し出しているからや。おまえは無愛想なんや」ということだが、単純に彼は日本人に思われ、僕は規格外の背の高さが災いして日本人だと思われていなかっただけな気がする。

カッドキアから帰って来た僕は、そんなゴウくんとホテルの隣にあるバーで再会を果たした。彼はこの事件からはすっかり立ち直っており、「あの女の子おれに気があるねん」とバーの女の子を指差してにんまりするまでに回復していた。

幸せなやつだ。

(ちなみに上のビデオはクリスマスの日にたまたま入った近所のトルコ料理屋でスープを食べているところです。あれは本当にうまかったです。それとぼったくりのディスコの人たちからはヤクザと勘違いされただけあって柄の悪いゴウくんです。ぼったくりディスコで無事だったのは、たぶんそのへんに一番の原因があると思うのは気のせいでしょうか?)