Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

プロとは:ワンズワード流の教え方

「だから、どうした!」と言われそうだが、もうかれこれテニスを始めて7年近く過ぎた。30歳を過ぎた頃から始めて、せいぜい週1,2回プレイするのがやっとだから、たいして下手でもなく上手くもないというレベルだ。

いわゆる趣味というやつだ。

「30歳を過ぎたから健康のために、いっちょ運動でもやってみるか」という程度の動機で始めたので、周囲もどうせすぐ辞めると思っていたのだろうが、意外と気が長い質で今でも続けている。

試合に出る予定もないし、出たいとも思わない。ただ楽しくテニスが出来ればいいと思っている。ブエノスアイレスに住み始めても週1回程度の頻度で続けている。だが、今習っているコーチが来月から夏休みでニュージーランドに三ヶ月行くというので、「まあ、そのあいだ代わりのコーチでも探すか」という案配で、色々と知り合いを頼りに訊いてみた。

そうして、たまたま見つけたコーチに昨日、テニスを初めて習った。するとまず「グリップの握り方が違う」と指摘され、細かい修正が入った。

「これか!」と思った。

そのあともするどい指摘がずばずばと入った。そのたびに「なるほど!」といたく感心した。下品な話し、これならお金を払う価値があると心底思った。たかだが趣味程度のことでも、本物に会うといたく感動する。当人にとってみれば当たり前のことを指摘しているだけなのだろうが、「今までの練習がなんだったんだ!」というくらい違う。

ワンズワードもかくありたい。

自分たちが提供しているサービスはお金に換算できないくらい素晴らしいものでありたいと思う。「趣味で習っているから」とか「生徒にやる気がないから」というのは、所詮はアマチュアな人間の言い訳にしか過ぎない。

プロはまずは自分が納得するレベルで教える。そうして、相手のレベルに応じて、より分かりやすい教え方を選択する。

出来る人間というのは結果に関して無頓着なものだ。なぜなら、常に自分がベストを尽くしたのを知っているから、そのあとの結果に関してはとやかく詮索はしない。そういうかっこいいプロたちのみを今後も雇用していきたい。

彼ら彼女たちは、毎日のように同じことを教えている。ヘタをすれば、毎日がけだるい時間の連続になりがちだ。だが、それでも教える相手は毎日違い、彼らは「ただのレッスン」以上のものを要求している。そのことを深く自覚している人たちを雇用して、大切にしていきたい。