Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

生きているあいだにできること:たくさんの過ちとたくさんの幸せ

人生において、一番大事なことはなんだろう?

と訊くと、たいていの人は「家族、子供」などと答えるが実際はその時間のほとんどを仕事に費やしている。そうして、多くの場合は好きでもない仕事に多くの時間を費やしているのが現状だ。

そんな仕事は辞めてしまえばいいというのは外野の勝手な話で、生活のことを考えるとそうもいかない。そうして、できるだけ長く同じ仕事を続けることになる。ほかに人生やることないのかと考えてしまう。

これだけの世界不況のなか、あまり先のことばかり心配していても始まらない。そんなに真剣に考えても、たいしていい解決策はない。あらゆるものは流動的だし、結局のところ一日一日を一生懸命生きて、「昨日よりもより良い自分」を目指すしかない。

最近、父親が「うどん屋を開く」と言って家族中を巻き込んでいるのを傍目で見ながら、やはりほかに何かないのかと思う。もう70歳近いのだから、「1000万円持って世界を豪遊してくる!」と言っていたら、家族中が応援していただろうが、駅前によくあるような立ち食いうどん屋を開きたいと言われるとどうかと思う。

ずっと独立して自分の店か会社を持ちたいと言っていたので、今になってようやくそれが叶う状況になったから、彼の気持ちを一応は理解出来るが、正直時遅しだ。

夢や目標を持つのは素晴らしいことだ。だが、そのために色々なことを後回しすると、ろくでもないことになる。別に刹那的に人生を生きて、享楽的に時を送ることをよしと思わない。だが、自分のやりたいことをいつまでも先送りにしていると、いざやろうとしてもたいていの場合は、すでに時を逸している。

子供の頃、父親の姿はほとんど見かけなかった。たいてい夜遅く帰り、休みは週一日だけだったので、昼過ぎまで寝て過ごしていた姿しか記憶にない。当時、何を思ってそこまで仕事に時間を費やしていたのかは分からない。

Moments

(上記は英語翻訳で原文のスペイン語こちらから)

アルゼンチンが誇る作家ボルヘスが書いたとされる詩(実際は違う人が書いたという説が有力らしいですが)を今日のスペイン語のレッスン中に読みながらふとそう思った。

家族のために朝から晩まで働いていると言う人がいるが、それはきれいごとだ。家族の誰もそんなことを望んでいない。結局、人間は自分のために働いている。それを自覚していないと、下手な言い訳をして、結局それに足元をすくわれることになる。

「会社のため」「家族のため」「社会のため」と詭弁を弄すると、自分自身ですらそれに騙される。仕事は自分のために行い、その次のステップとして他者のことを考えればいい。現実的に解決しなければならない問題は多いが、それこそビジネスライクに取り組めばいい。

世の中、自分にしか出来ない仕事なんて存在しない。どんなに偉大な作家や画家、社長だって代わりはいるし、常に時代は進歩している。逆説的に言うと、いくらでも代わりがいるから安心して人生失敗すればいい。

If I could live my life over again,

in the next one I would try to make more mistakes.

I wouldn't try to be so perfect, I would relax more.

I would be sillier than I've been,

もし、人生もう一度生きることが出来たら、

次の人生ではもっとたくさん過ちを犯そう

完璧なんて目指しはしない、もっとリラックスして、

今までよりもずっと愚かな振る舞いをしでかすよ。