「今週の土曜日、ジェームズ・ブラントのコンサート行くんだよ?」
アルゼンチン人Aさん「いいね!・・・・・・って、誰?」
アルゼンチン人Bさん「・・・・・・ジェームズ・ブラウン?」
「違うよ、あの"You are beautiful"の人だよ!!」
アルゼンチン人Aさん、Bさん(二人声を揃えて)「あああああ!!!!」
このような会話がブエノスアイレスの至る所で繰り広げられたのは間違いないわけですが、一応彼のアルバムをすべて持っているファンとしては、行かねばならないと思い、ブエノスアイレスで初めてのコンサートに行って来ました。
(そのほかの曲にいい曲あるの?と言われがちな彼ですが、けっこういいバラードがあったりします)
会場はルナ・パークという元ボクシング場で比較的ハコとしては狭いほうで近くで見れました。
日本と違いカメラの持ち込みがOKなので、写真は撮り放題なのですが、なぜかカメラを掲げてずっと動画を撮っている人たちが目立ち、なんだかなと思いました。
今までイギリスのバンドを中心に何度もコンサートに足を運び、オアシス、プライマル・スクリームなど往年のブリットポップなども見てきましたが、このジェームズ兄さん、そんな方々と比べてめちゃくちゃ健康そうです。
前述したロックスターたちはライブとなると、前日の酒とドラックで調子が悪いのか、けっこう気だるそうに時にはビールを飲みながら、また時にはタバコをふかしながら、だましだまし歌っていることが多いですが、このジェームズ兄さんは「ギターを抱えながら、腕立て伏せをしつつ、なおかつほふく前進」でもしそうなくらいキビキビした動きで歌いまくっていました。
身も蓋もない話ですが、「きっと歌を歌うことが本当に好きなんだなあ」とこっちが素直に関心するくらい、真っ直ぐなシンガソングライターです。
「自分で切ったのか?」と思わる髪型と、変なTシャツを着ているジェームズ兄さんでしたが、歌が上手いのでそれだけで満足です。
昔、たまたまNHKのB'zのドキュメンタリーを見て、そのなかで稲葉さんがコンサートツアーの一か月ほど前から自分を追い込み、酒も断ち、筋トレに励んでいる様子を見たことがあります。
個人的には「なんかロックじゃないな」と思ってしまいましたが、たぶんジェームズ兄さんはそこまで追い込む必要もなく、体力が有り余っている感じです。
きっと昨日のコンサートが終わったあとも、「おれ、ちょっと軽くジム行ってくるわ!」と言ってそうな感じです。明らかにドラッグをやっている思われるハイテンションなプレイでベーシストが演奏中にコケたり、ビールを会場にばらまくボーカリストなどの印象しかないUKロックファンとしては、ある意味新鮮なコンサートでした。
いつまでもドラックや酒浸りになっていないで、彼のように腕立てでもしながら作曲しているほうがより生産的だなと・・・・・そんなのロックじゃねえと言われたらそれまでですけど。