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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

どうしてブエノスアイレスに住んでいるのか:今一度考えてみる

また最近、新しい住処を探して、ブエノスアイレスの街をうろうろしている。

せっかくブエノスアイレスに住んでいるので、ブエノスアイレスらしい物件がいいなと思っているけど、それがなかなか難しい。

そして、不動産さんが浴びせてくる質問で一番多いのが「どうしておまえはブエノスアイレスにいるのか?」という質問だ。

まったくだ。

自分でも時々、「どうしてこんなに一生懸命スペイン語を勉強しているのだろう?」とか、「なんでわざわざ地球の裏側まで来て、生活しているのだろうか?」という根本的な質問が浮かぶ。

もう答えるのが面倒くさいので、「おれは、ブエノスアイレスに惚れているのさ、ふっ」という感じで適当にごまかすのだが、ブエノスアイレスの人たちが仮に東京に10年も住んだら、きっと今のこの気持を理解してくれるだろう。(まあ、そんなことはあり得ないけど・・・・)

世界一人口密度の高い東京で、ちょっと外出して気がついたら5000円くらいはあっという間になくなり、満員電車に毎日揺られ10年経ったら・・・・地球の裏側まで来て住んでみたいと思うのが人情ってもんだ・・・・。(ちなみに、東横線みなとみらい線に変わった途端になぜ運賃が急に上がるのかという形而上学的な問題について、深く考察して欲しい。まあ、運営会社が変われば運賃が跳ね上げるのは頭では理解できますが)

ブエノスアイレスの地下鉄の値段は最近、二倍になってみんなが大騒ぎしたけど、今のところわずか50円ほどだ。25円が50円に上がったから、二倍って言えば二倍だけど経済大国の日本から来た平たい顔族にとってみれば、雀の涙の金額だ。

タクシーも最近値段が上がったけど、初乗り運賃は150円ほどだ。「今日は遠くまで行ったなー」と思っても800円もあれば足りる。うっかり終電を逃して、6,7000円もの大金を費やしていた頃が懐かしい。

ブエノスアイレスは高いのか、安いのか?」と言われたら、「高い」と答えるけど、こと交通機関に関しては死ぬほど安い。そして、東京と違い、だだっ広い空間がそこには広がっているので、居心地いい。そんなブエノスアイレスを一言で言い表すと、「先進諸国のような豊かな文化を持つ、発展途上国都市」と言ったところか。

外食も服や電化製品も総合的には日本のほうが安いけど、それでも「居るだけで楽しい」と思えるのは今は自分にとって東京ではなくブエノスアイレスだ。

だけど、究極的には頭で考えるよりは体で感じて、行動するのみだろう・・・・だからと言って、地球の反対側までわざわざ来る必要もないのだろうけど。