Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

オンライン英会話業界をちょっとだけdisってみた

アマゾンのキンドルが世の中を現在席巻しているが、3,4年前から電子書籍の時代が来ると誰でも予見出来たので、日本で有名な複数の出版社に電子書籍化を持ちかけたことがある。そのときもやはり抵抗が強く、とある出版社とは毎月定例会議までしたが、一向に話は進まなかった。

で、ワンズワードとしても他の事業をする必要があり、まずは今あるオンライン英会話スクールを始めたわけだ。当初は、総合的な英語学習サイトを目指しており、アプリ開発や英語学習プログラムなども開発しようと意気込んでいた。

だが、色々とサイトを見るうちに気持ちが萎えた。たとえば、英国BBCは「BBC Learning English」など無料で運営しているし、日本でも「iKnow」、それに自分も多少関わったことがある「English Central」などの英語学習サイトがある。(ちなみに両者ともアメリカのベンチャーが日本をターゲットとしたサービスだが、きちんとマネタイズ出来ているのかは疑問です)

そうやって色々とリサーチしていくうちに、「これ、無理」と思った。まずサイトを作りこむには、ある程度の資金が必要であり、それなりの投資が必要だ。そして、その投資をどうやって回収するのか・・・・当初はどれも無料でスタートし、次に500円なり安価な課金をしていくのが主流だが、2,3億と投資した場合、いつマネタイズ出来るのか不明だ。

そこで「ただ英語を話す人」ではない、「超優秀な先生だけを採用する」ということに特化し、メジャーではないが、「知る人ぞ知る隠れた名店」的な立ち位置のスクールを目指すことにした。

例えば、英語を話す人だけのスクールにお金を払うのであれば、テキストを打ち込んでコンピューターに音声を再生してもらえる、こちらのようなTTSエンジンでも十分に事足りる。それと先に紹介したイングリッシュ・セントラルや、英文添削が無料で出来る「Lan-8」などを組み合わせたほうが効率がいい。(でも、本当に毎日レッスンを受講するのであれば、一ヶ月30回レッスンを受講して5000円の格安オンライン英会話スクールのほうが合理的だと思う・・・・本当に30回受ける人がいればだけど)

ただいずれにせよ、ウェブの世界では人を介したサービスにしか課金は難しい。そのような意味では、今後は上記に紹介した学習サイトよりはオンライン英会話スクールのほうが主流になるだろう。

では、優秀な先生に英語を習う意味は一体なんなのだろうか?安くて、そこそこの先生でいいのではないか?

これは純粋に自分の経験から来ているのだが、本当に優秀な先生に英語、あるいはほかの言語を教わると「ほー、なるほどそうなのか!」「今までもやもやしていたけど、実際そういうことなのか!」と思うことが多々ある。それが語学学習のモチベーションとなり、彼らがファシリテーターとなることにより、継続した語学学習が可能となる。

本当に彼らによって急に視界が開けることがある、そのような経験を共有したいがために、このような方針でオンライン英会話スクールを運営している。

で、結局何が言いたのかというと、最近、「安くて優秀な先生が多数在籍」と謳っているスクールが増えてきて、なんだかなと思っている次第です。日本語的に間違っていると思う。牛丼じゃあるまいし、優秀な先生は安くはなかろうと。優秀な人を雇うのであれば、それなりの待遇を用意し、彼らに対して最高な労働環境を提供する必要があるのではないかと。

このあいだフィリピンの先生たちとも話して、フィリピンでも「オンライン英会話スクールの先生」というと、相当立場が低いと。ようはプロフェッショナルな仕事とは思われておらず、訛りの強い下手な英語で、適当に外国人相手に教えればいいよ的な感じになっているらしい。

だんだん泣けて来たけど、そのような時流には飲まれずに、圧迫面接と恐れながらも超厳しい面接を課して、ひたすら「本当に優秀な先生のみ」を採用し、彼らの能力に見合った報酬と待遇をこれからも提供していきたい。