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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

妄想政治論:日本とアルゼンチンと未来について

ふらりと来てしまったブエノスアイレスだが、すでに一年半以上経った。

スペイン語を習い始めて、同じ年月が流れたが、とりあえず当初の予定通り順調に上達している。最初から「スペイン語を習得するために2年勉強する」と決めていたが、それは単純に英語を習得するのに留学して2年費やしたからだ。

英語を習得するためにイギリスに留学したのは20歳の頃だが、CEFRで言うところのB2試験には一年で合格し、二年を終える頃にはC1にも合格した。(ちなみにケンブリッジ試験なんてものには全く興味なかったが、2年目を迎える頃には上級者向けのコースがそれ以外なく、仕方なくケンブリッジ試験準備コースを受講した)

語学学習に役立つ自己否定について

英語を習得するのに2年もかかるなんて、留学した当初は想像もしていなかったが、今では納得している。だからこそ、スペイン語習得にも同じくらいはかかるだろうと思い、英語を習いに留学した頃と違い、かなりリラックスした精神状態でいられた。

そんなスペイン語学習だが、ここまで来ると、あとはひたすら実践をこなすしかないレベルまで来ており、いかにスペイン語で多くの人と触れ合い、議論していくかだと思う。

まだまだネイティブレベルには程遠いが、こちらの人は親切な人が多く、多少スペイン語を間違えるくらいが愛嬌があってちょうどいいのではと思っている。(まあ、すでにかなりラテンのノリになってきています)

最近はずっとレッスンでは政治、経済、それにアルゼンチンの歴史について学び、議論している。すでにスペイン語のレッスンというよりは、「丸ごとアルゼンチンを学ぶ」的な要素が強くなってきているが、この地では政治や経済について議論することが多いので、そのための語彙を学ぶためにはとても有用だ。

ついでに言うと人はよく「英語を話せるようになりたい!」というが、たぶんその意味するところは、「自分が興味のあることや関心のあることについて英語で外国人とコミュニケーションを取りたい」ということだと思う。

そのような意味においては、まずは自分自身が物事に対して興味を抱き、それについて調べ、そしてそれらについて考えを持っていないといけない。箸にも棒にもかからない意見なんて、別に誰も聞く耳を持たないので、なるべく個性的な意見が望ましい。

日本的な「長いものには巻かれろ」的な考えだといつまで経っても個性的な意見なんて持てやしない。またついでに言うと、個性的な意見を持つために世界を一周する必要もないし、留学する必要もない。ただ、より客観的になるために、すべての意見を並べて考え、あらゆる手に入る限りの情報を集めて、物事を相対的に判断することが重要だ。

目に見えることを理解することは簡単だ。だが、より重要なのは目に見えないことを感じ取り、それらについて情報を集め、物事についてより深く理解することだと思う。

そういう意味では「歴史」を勉強することはとてもためになる。実際に起きた事件の背後にはたいていの場合、なんらかの「意図」が働いており、多くの場合は歴史的な事件と言われるものは、ただの結果であり、物事の表層しか表していない。より重要なのは、その奥底に隠されている第三者の意図であり、それらが幾層にも連なって、歴史を形成しているのだ。(別に陰謀論者でもなんでもないですけど・・・・歴史ってだいたいそんなもんだと思ってみると面白いものです)

例えば、次の日本の選挙もそのような歴史的な観点から見ると、興味深い。4年ほど前の民主党の圧勝劇から今回は一転して、自民党の圧勝が予想されている。そして、最もあり得ない復権が小泉元首相の後継者として指名されながら、多くの期待を裏切った安倍元首相だ。

安倍元首相“完全復権”の野望(この記事を読むと1年前からちゃんとメディア戦略を始めていたことになりますね)

安倍元首相が再度首相に返り咲いたならば、表面的には奇跡としかいいようがない。だが、彼の復権には民主党の大勝、それからの民主党の実力のなさから来る信用完全失墜が絶対的に必要だった。自民党政権のままだったら、彼の復権はなかっただろう。民主党が勝ったからこそ、彼の過去はチャラになり、復権が可能となった。

そして、それはもともと麻生元首相がほぼ負けると分かっていて、解散総選挙に打って出たことに端を発する。(こちらの記事のよると、安倍氏と麻生氏は大変仲が良いということです・・・・)

自民、驚愕の293議席獲得!? 霞が関官僚群の関心は早くも安倍晋三政権の陣立てに移行している!(そして、安倍新政権の最大の功労者の麻生氏も当然復権します)

麻生元首相が玉砕覚悟で解散総選挙を行ったのは、もしかしたら安倍元首相の復権を4年後に画策する深慮遠謀だったのかもしれません・・・・・もちろん、これらはすべて結果論であり、こじつけと言えるかもしれない。だが政治家なんて「いかに生き残っていくか」が大切な職業なので、この程度の絵図は描いていただろうとは思う。それが果たしてうまくいくかどうかは、時の運だと思うけど。

最終的に何が言いたいかというと、新聞やメディアが書くことは話半分で訊いておき、自分でよく考えて、最終的には自分自身の責任において判断するということです。そして、あらゆる可能性を考慮に入れて、それについてある程度今出来ることをやっておくということが重要だと思います。

そんじゃねー(ちきりん風)