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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

侮りがたしアメリカ人について:イノベーションの起こし方

先週、木曜日から日曜日まで毎日なんらかのアクティビティで、アメリカ人の友人であるマイクと一緒に過ごして、ふとマイクがいないと自分の社交生活が成り立たないのではというある種の危機感を覚えた。

そして、今週、ちょっと以前に知り合った人たちにフェースブックを通じて声をかけて、「友達作ろう」運動を繰り広げてみた。(まあ、大げさだけど)

そうしてみると、そのほとんどがアメリカ人男性であることに気づいた。

自分の英語力とスペイン語力にまだ開きがあることは当然の事実だが、友達関係が成立するほどのスペイン語力がないのかとそうでもない。現に週末、一緒にミロンガに行くアルゼンチン人とは、3、4時間一緒に居ても別に苦にならない。

なんというか魅力的な男性が、ことごとくアメリカ人なのだ。何もアメリカ人が全員魅力的とはけっして言わない。むしろ、8割、9割方のアメリカ人は「真性バカ」ではないかと訝っている。

あの根拠のない圧倒的までの自信はすごいと思うが、その多くが本当になんの根拠もないので、一緒にいて疲れるし、つまらない。(もちろん、自分がそれほど立派な人間とは思ってはいませんが・・・・謙虚さは美徳だという価値観は持っています)

しかし、本当に10人に1人くらいの確率でとんでもなく魅力的な男がいるのだ、アメリカという国には。

例えばほかの国を例にとってみよう。今まで40カ国近く旅して、さらに合計5年以上海外に住んでいるが、出会ったなかでも信頼出来る確率が高いのはドイツ人だ。ドイツ人で外した経験がほとんどない。ほんと、なんかみーんな良い人。

現在、10人程度の日本人サッカー選手がドイツでプレーしているが、「それ、言わなくても分かっているよね」ということがドイツと日本ではおそらく共通しているから、言語が多少出来なくてもコミュニケーションが成立しているのではと思う。それぐらい相性がいいし、とにかく信頼出来る人たちが多い。でも、平均値が高くても、「すげえ!この人!」と思ったことはあまりない。

次にここアルゼンチン人男性についてだが、非常に判断が難しい。とにかく無類の女好きということはいえる。そして、最終的に言えるのはこの国の人たちは、あまりに個人差が激しすぎて、判断が難しい。そこが発展途上国である所以だと思う。先進諸国ならば、ある一定のレベルで物事が進むことが多いが、この国はそんなものは存在せず、すべてはその人による。

もちろん、海外は日本と違い、どの国も個人主義なので、「信頼できる人」を見つけることが問題解決の鍵なのだが、そのレベルをはるかに超えて、個人への依存率がこの国は高い。で、その最低限のレベルに達していない人が多すぎるので、こちらからわざわざ知り合いになりたい人にはあまり出くわさない。

これを残りのひとつひとつの国に当てはめるとキリがないのでもうやめるが、結局なにが言いたいのかというと、だからアメリカという国からイノベーションは生まれるのだということだ。

たとえ9割が「真性バカ」でもいいのだ。残りの一割がとんでもないイノベーションを生み出すから。むしろ、真性バカのなかにとてつもないイノベーションを生み出して、天才と称される人がいるからこそ、あの国は今でも世界ナンバーワンの国なのだろう。

「何事にも諦めずにチャレンジする」という文化があるから、バカにもなれるし天才にもなれる。日本にもイノベーションが必要だという人が多いが、そのような自由を許容できる文化が今の日本にあるとは思えない。ミスを責め立てるから人は自殺し、その結果として閉塞感がある社会が出来上がってしまっている。

WEBデベロッパーのスウェーデン人の友人が「アメリカ人だけが仕事を依頼するときに必ずNEXT BIG THINGを作りたいと言ってくるんだ。本当にみんな、どのアメリカ人も同じようにそういうことを言ってくるからこっちとしては堪らない」と言っていた。

今のフェースブックやアップルの成功の影には、彼ら同様の「真性バカ」が何度もそう言ってトライして散っていったのだろう。

ブエノスアイレスの街でなぜか我が物顔で大きな声で英語を話しながらまくし立ているアメリカ人を今度見たら、「君たちのおかげで今のMacフェースブックがあるんだね」と少しやさしい気持ちになって見つめてみようかと思う。

でも、死んでもアメリカなんかに住みたいとは思わないけど。