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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

世界遺産のなかに人々が住む街:ポルトにて

もともとポルトに来たのは、ブエノスアイレスのアメリカ人の友人が「リスボンに一ヶ月いたけど、週末だけ過ごしたポルトのほうが良かった」と言っていたので、そうかと思い、この地まで足を運んだ。

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たしかにその気持ちがよく分かるほど、いい街だと思う。リスボンよりもずっと小さな街だが、それほど観光地然としていなくて、落ち着きのある街だ。物価もリスボンよりも少し安い。

ちっぽけな食堂みたいなところでお腹一杯食べて、ワインを飲んでも一人10ユーロぐらいだった。そして、リスボンと同じく海鮮類がとてもおいしい。

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街を歩けば歴史的な建造物にぶち当たり、特に意図しなくても観光が出来る。こんな街に住んだら毎日おいしいものを食べて、ワインを飲んで・・・・きっとバカになるだろうなと思う。ポルトガルの人たちはもう満たされ過ぎていて、働らかなくなり、経済破綻に直面することになってしまったのかもしれない。

だが、リスボンポルトもそんな経済危機なんて嘘のように、平穏で人々は満ち足りている。ブエノスアイレスの人々とは大違いだ。ポルトガルに着いてから、車のクラクションなど聞いたことがない。通りを渡ろうと思えば、自然と車は道を譲り、せかせかとした感じもなく、穏やかな雰囲気がそこには流れている。(ブエノスアイレスはほぼずっとクラクションが鳴っているし、通りを渡るときはドライバーから殺意を感じることが多々ある)

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ここはやはりヨーロッパなのだなと思う。文化的にも経済的にも成熟しており、南米のような若い国とは勝手が違う。また日本にあるものは、やはりあくまで「洋風」でヨーロッパにある本物とは全然違うのだなと街にあったインテリアなどを売っている店で思った。(日本にある純和風のものがヨーロッパにいくと、「変な和風」になり変わることと同じだなと)

年をとって引退したら、こういう静かな街に住んで、毎日カロリーなど気にせずにおいしいものをたらふく食べ、ワインをごくごく飲んで、静かに死んでいくのも悪くない死に方だなと思う。