Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

ロンドンにて:マリアのこと

コロンビア人のマリアとは15年もの付き合いになる。

Maria_best

ロンドンに住み始めて、すぐにマリアとマリアの当時の彼氏であるセバスチャンが僕の住んでいるフラットにやって来て、一緒に住み始めた。僕たちはすぐに仲良くなり、毎日のように3人で出かけて、楽しい時を過ごした。

ただお互い人生で最も貧乏な時期で、金は全くなく、住んでいる場所こそロンドンのイーストエンドのど真ん中に位置していたが、ひどく狭く汚かった。人生で一番惨めな時期でもあり、一番楽しい時期でもあったかもしれない。僕たちはまだ20歳前半で未来しか見えておらず、この先どのような人生を送るかお互いわくわくしていた。

Englishpub

僕たちが住んでいたフラットの前には古いパブがあり、「ぜひそこに行こう!」ということになり、そこでビールを2杯くらい一緒に飲んだ。僕たちは3,4年に一度は会い、お互いの近況を報告し合っているが、二人とも変化に富んだ人生を生きているので、二人で会うのはとても楽しい。

マリアは2年前に英国のパスポートを手に入れて、晴れてヨーロッパのどこでも住む権利を手に入れ、そして新車を買い、また前の彼氏と別れて、新しい彼氏と付き合い始めていた。(ついでに言うと、前のナイジェリア人の彼氏はビザ問題で帰国を余儀なくされたが、それを法廷に持ち込んで、あげく裁判に勝ち、近いうちにロンドンに舞い戻ってくることになったらしい・・・・相変わらず複雑な男関係を繰り広げているマリアさんです)

マリアは20歳の頃は自分でも「自分だったら、月ぐらい食べれる」というぐらい、世界、いや宇宙全体が彼女中心で回っていると自他共に認めさせるくらい存在感があり、僕はと言えば、セバスチャンと一緒に彼女に付き従う従者のような存在だった。

Maria_light_2

そんなマリアも37歳となったのが、本当に驚きだ。わけの分からないヒョウ柄のパンツを履いて、靴も履かずにロンドンの街中を駆け回っていたワイルドな少女は、今やアートセラピストとなり、自閉症の子供たちに癒しを与える存在となっている。

僕たちはそれから食事をし、またマリアが行きたいというバーに入り、深夜まで語り合った。毎回会うたびにもっと頻繁に会おうというが、結局のところ、僕たちは何年かに一度しか会わない。彼女はどうしても子供が欲しいらしく、タイムリミットが迫っていると焦っているが、彼女ほど魅力的であれば引く手あまただとは思う・・・・が残念ながら男を見る目がなく、また情に深すぎて一度関係した男とはいつも5年くらい関係を続けている。

クリスティーンという人

以前、ブログで紹介したクリスティーンも強烈な個性を持った女性だったが、マリアもそれに負けず劣らずで、さらに最近クリスティーンは子供も出来、とても幸せな人生を送っている。

僕のなかではこの二人の存在がかぶっており、いつか二人を会わせたいと企んでいる。だからマリアもクリスティーンに続いて、幸せなプライベートな人生を築いて欲しいと心から願っている。

ただマリアに子供が出来たら、きっと数年ぶりの再会を果たしても、「ユウキ、ついでにミルク買ってきて!」とパシリに使われるのだろうなと想像に難くない。サイモンは常々、「ラテン系の女性と付き合うということは、それはもうそれ自体が職業なんだよ!」と力説していたが、ほんと友だちですらそんな状態なのだから、付き合ったり結婚したりしたら、それはもうそれが職業になることは容易に理解出来る。

きっとこれから先、お互いひと波乱もふた波乱もある人生だと思うが、数年おきに会って、以前会った時とどれくらい自分たちが成長しているか確かめながら、ずっとこの男女の友情関係を続けていきたいと願っている。