Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

そして誰もいなくなった・・・・動物園へようこそ!

なんの話かというと、通っているスパルタ・サルサ教室の話だ。

(日本にいた頃は、サルサというと六本木にいるチャラチャラした人たちがシャカシャカして踊っているイメージがあったが、まさかスパルタとは・・・メキシコって、ある意味すごい!)

メキシコ人の友人アビマエルに誘われて、なんの興味もなく始めたサルサだが、すっかりハマってしまい、もう2ヶ月あまりが経った。そして、この二ヶ月のあいだに始めた人たちがほぼ全員いなくなってしまった。残っているのはそれ以前に始めていた4、5人、それに自分が引き入れたフランス人の女の子、ノエミだけだ。

色々と理由は考えられる。

まずはこの教室の主であるアリシア先生はスパルタであるということも一因だろう。ただ、それよりもメキシコ人女性のことごとくがあっという間に辞めていくのは、目標設定の甘さに起因する。そして、自分自身への過信が加わって、数回クラスを取った後は、「自分はサルサを踊れる」と思い、あっさり辞めていく。

これはある意味、語学習得にも通じるところだ。

目標設定をきっちりしないと、いつまで経っても英語もスペイン語も話すことが出来ない。

彼女たちの目標設定はせいぜい「パーティーでそこそこ踊れればいいや」程度のものなので、モチベーションは限りなく低い。そして、タンゴやほかの踊りにも共通していえることがだが、男性のリードで踊るので、男性のほうが圧倒的に覚えることが多く、彼女たちはその間、「なに、これ退屈」と思い、辞めていく。

そもそも「忍耐強いメキシコ人女性」なんてイメージは全く湧かない。

このような状態なので、アリシア先生のサルサ教室は男性ばかりという緊急事態に陥ってしまった。今まで何人かメキシコ人女性を引き入れたが、もう辞めてしまったので、さらにもう一人知り合いを誘ってみた。

これが間違いの始まりだ。

てっきりそこそこ踊れると思ったが、全くリズム感がなく、ステップも知らず、踊りにならない。しかし、その肝心の彼女は「自分は踊れる」と思っているから、こっちの言うことを訊かず、自分が正しいと思うあまり、「あんた、そのステップ違う」と言う始末だ。

巷では「ブッタ」並と言われる自分の忍耐力も限界が来て、もうほっておくことにした。

(自分がリズム感ないのに、こちらのせいにされて、若干キレそうになったことは内緒です)

そして、翌日、最近知り合ったクラシックバレエの先生をしているボリビア人とともに、プライベートのクラスを取りにアリシア先生のサルサ教室へと行った。

そしたら、アリシア先生激怒!

「あなたが連れてきた、昨日のあの子!なによ!全くリズム感もないし、変なステップを踏むし、あんな子、サルサ教室になんて連れてこないで!」と開口一番、ワタクシ怒られました。

えー、一応、生徒を増やす努力を一生徒である自分がしているのですが・・・・自分の紹介で2,3人入校したのも事実だし。(うちのオンライン英会話スクール・ワンズワードをほかの方に紹介してくれた方々には、感謝の気持ちを込めて大和田常務並の土下座を厭わないと思っている自分と正反対の反応です)

しかし、アリシア先生激怒!

「あんな子なんて初心者クラス、いや初心者クラスよりももっと下のクラスに行かないと無理!

あんな子、教えるのなんてほんと無理!」

アリシア先生はヒートアップしました。

そもそも、初心者クラスよりも下のクラスって、何クラスだよ・・・というツッコミは怖くて出来ませんでしたが。(アリシア先生のクラスでは初心者クラスからスタートし、そこからサルサ教室にステップアップするのですが、その彼女は初心者クラスに呼んだのに、一時間遅刻したのが災いして、その次のクラスを取ることになったのが致命的だったなと)

それにしてもメキシコ人、面白いな。

確かに自分が連れてきたメキシコ人の女の子は、もう動物っていいだろう。何かを学んだことなんてないから、「学ぶ態度」なんて最初から持ち合わせていない。そして、全く根拠のない自信だけは豊富に持ちあわせており、それがまた災いを招く。

ただアリシア先生も正直、どうかと思うが・・・・嫌いではない。多大な時間と労力をかけてサルサを身につけた彼女からしてみれば、あの女の子の態度は許せなかったのだろう。いかにも「サルサなんて簡単!」なんて態度を取り、そのくせ全く踊れないという現実。それなのに、人の言うことを全く聞かない。

アリシア先生が彼女に直接、文句を言わなかった分別を持ちあわせていただけ、幸運だった。

(でも、男にはもっと厳しく、うちのクラスにいるオスカーというメキシコ人男性には、めちゃくちゃ辛く当たっている。彼は腰が固く、うまくターンできないのだが・・・・それぐらい見て見ぬふりしてあげればいいのにと個人的には思うけど。そんな彼はめげずに毎回クラスに来ているので、ある意味すごいと思う)

ラテンの国って、ほんと動物園だなと思う今日このごろだ。