ブエノスアイレスは今日は12月25日、クリスマスだ。
家の周りのスーパーやレストランはすべて閉まっており、人通りもまばらだ。
海外でクリスマスと言うと、なんだかロマンチックのような気がするが、実際はロマンもくそもなく、食料の調達さえままならない厄介な日にしか過ぎない。
それにブエノスアイレス39度。
外に出る気が起きない気温だ。こんな日は家に閉じこもって、海外ドラマでも一気に見るのが適している。
年末は日本のほうが色々な行事があって楽しいのかもしれないが、ふらっと帰るには遠すぎるので、また来年桜が咲く頃に一時帰国をしようかと思っている。
フィリピンでもクリスマスは一大行事で、9月から準備を始めて、なぜか2月くらいはまで続くという。一年の半分はクリスマスを祝う不思議な国だ。
ブエノスアイレスは1月から本格的にバケーションに入るので、毎年12月に色々と問題が持ち上がる。バケーションに入る前にややこしいことは済ませておこうということなのだろう。
思えば2001年の財政破綻も12月だった。
「自分がバケーションにいきたいから、ややこしい問題はとっとと12月中に片付けよう」というおおざっぱな感じで、一気に財政破綻したのかもしれない。
「バケーションか、財政破綻か?」の二択なら、アルゼンチンの政治家の方々は自分のバケーションを優先するそんな国だ。(ぶっちゃけ富裕層は、財産がなくなるどころか財政破綻したあとに不動産屋を買い叩いて、大儲けしたらしいし・・・・日本の既得権層なんて、まだかわいいものだ)
ブエノスアイレス滞在もあと一ヶ月だ。
最近は毎日タンゴのクラスに通い、ミロンガへと繰り出して、タンゴの腕を磨いている・・・・・別にプロを目指すわけでも、死ぬほどタンゴ好きでもない。
「むしろ、そこにタンゴがあるから」という理由でタンゴを踊っているだけなのかしれない。タンゴのグループレッスンは1クラス500円程度なので、ブエノスアイレスではタンゴは金のかからない趣味といえる。メキシコではサルサを踊り、ブエノスアイレスではタンゴを踊る。
ごく自然の成り行きだ。
ブエノスアイレスで一番仲の良い友達のアメリカ人のマイクがアメリカに一時帰国したので、残された社交生活はタンゴしかない。家で仕事をし、息抜きにタンゴのクラスに行き、夜はミロンガへと行く。
まったく健全な生活を送っている。
そして、ついでに体重も4,5キロ落ちた。暑さのせいで食欲が湧かないのと、毎日運動しているからだろう。
30代もあと一年となったが、この10年近くでスペイン語、サルサ、テニス、それにタンゴと結構色々と身に着けてしまった。海外では趣味を通じて、人とよく知り合いになるし、仲良くなる。日本ではそんなことは一切教わらないが、言葉と同じくらい趣味は大事だ。
海外では言葉は出来て当たり前だが、それにプラスアルファがあるとぐっとその人たちに近づきやすくなる。30代、40代で戦略的にそういうことを身に付けておくと、そのあとの人生に幅が広がるのではないだろうか。
ブエノスアイレスでは80歳のおじいちゃんが、「ミロンゲーロ(ミロンガでタンゴを踊る人)」みたいな感じで尊敬されている。自分がよく行くミロンガでも一人80歳くらいのおじいちゃんが毎週来ていて、美女相手にタンゴを踊っている。
そんなおじいちゃんを見ていると、自分の人生は前途洋々に思える・・・・微妙か。
(80歳まで行きたら、世界100周くらいはしているのだろうか・・・・応援よろしくお願いします)