Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

偉人への道:タンゴマスターになるために

年が変わろうとも、いまだ停電を繰り返すブエノスアイレス・・・そして、雷雨、酷暑と目まぐるしく天気が変わっている。

そこでふと思ったのだが、何事も極めた人というのは、いつまでも謙虚だなということだ。

半年ほど前にマイアミにいたときに、タンゴを踊りに行ったのだが、そのときにたまたま踊った女性が「この人、なかなかうまいな」と思い、けっこう仲良くなり、それから彼女に色々なミロンガ(タンゴを踊る場所)に連れていってもらった。

Erin

(右側の女性が、その人エリンさんです。左側は妹さんです。ちなみに違う日にお父さん参加で食事をしたのですが、全員ビガン(ストイックなベジタリアン)でした。食うのに困るだろうな・・・・)

で、あとから知ったのだが、彼女は2009年のタンゴステージ部門の全米チャンピオンだったのです。

チャ、チャンピオンってと思いエリンさんに訊いたら、「そうそう、たまたまね」みたいな軽い感じだった。子供の頃からクラシックバレエを習い、プロを目指していたので、それに比べればタンゴなんてたいしたことないという感覚なのかもしれない。

(言ってしまえば80歳のおじいちゃんやおばあちゃんでも踊れる踊りなので・・・もちろん、クラシックバレエとは違う意味で難易度は高いですが)

チャンピオンは謙虚だなと思った。

これはどの世界にも言えると思う。

その道のエキスパートの人たちはたいてい感じがよく、中途半端な人ほど感じが悪い。

きっと、何かを極める過程でそれがどんなに大変なことか理解しているので、他の人に少しでも努力の痕跡が見えると許容できるのだろう。それに自分基準で相手を判断すると、すべての人が劣ってしまうことになるので、それはそれでつまらないということもある。

何事に大しても極める必要はないが、ただその感覚は大事にしたいと思う。

英語でもスペイン語でも、それにタンゴでもテニスでも、上には常に上がいるし、そして彼らはみな謙虚だ。むしろ、自分自身に対して謙虚にならないと、何事も極められない。

特に語学なんて、毎日こつこつと勉強しないと上達しないし、またやってもやってもキリがないことも確かだ。だが、謙虚に何事も取り組めば、いつかは日の目を見ることが出来る。

自分のケースで言えば、タンゴを始めた頃はリズム感などほとんどなく、ステップどころかずっとリズム感を養う練習をしていたのに、今では全米チャンピオンと踊っても仲良くなれるくらいにはなった。

(これはもしかしたら、自分の人生のなかで最も大きい下克上だったかもしれない・・・・・)

これからも謙虚に仕事に、趣味に取り組み、さらなる上達を目指し、ちょっとづつ極めていきたいと思っている。