Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

タンゴとブエノスアイレス、それにシャンパンについて

優雅さはなんだろうと思う。

ブエノスアイレスに来て、2ヶ月近く、アンドレスとその奥さんのグループレッスンに週2−3回通っていた。値段は一回につき300円というあり得ないほどリーズナブルな価格だ。

ビデオではよくわからないが、このアンドレスというおっさんは実際見ると、ちょっとお腹が出ている小太りなおっさんだ。だが、踊ると100倍かっこよく見える。そのステップひとつひとつが、かっこいい。

よくタンゴの先生は「ステップは重要ではない」というが、実際そのとおりだ。ステップの動き自体はそのひとつのひとつの動きの質を高める難しさに比べれば、簡単だ。

時々、「ステップは重要でない」ということを額面通りに受け取って、ステップを覚えようとしないタンゴ馬鹿がいるが、それは違う。ステップの動きそのものより、その動きひとつひとつのクオリティーを高めろということであって、ステップを覚えるなんてことは基礎中の基礎だ。

ちなみにグループレッスンに行って、先生の見本を見て、そのステップをすぐに覚えてこなせるようになるまでに2年ほどかかった。タンゴ道の先は長い。

(まあ、形だけでも覚えるのは、それなりに大変だ。同じクラスのご年配の方々のほとんどはそこで止まっている・・・・)

Hernan_flor

そして、この二人にも世話になった。あまり知らなかったが、2008年の世界タンゴ選手権で準優勝しているらしい。どうりでめちゃくちゃ優雅で上手いわけだ(今更だが・・・・)

しかし、その世界水準でいつも指導されるので、その要求の高さは半端ない。メキシコ行っても、毎日練習しろと言われている・・・・一体、何を目指しているのか自分でも疑問だ。

そんな二人を自宅に呼びつけて、プライベートレッスンをいくつか取った。

(ちなみにそれでも3000円程度だ・・・・ブエノスアイレス、タンゴに関しては価格破壊だ)

時々、「タンゴを習ってどれくらいか?」とあまり意味のない質問を受けるが、ブエノスアイレスでタンゴを習うとの、ほかの国でタンゴを習うのとでは、質も量も圧倒的に違う。ブエノスアイレスには世界チャンピオンクラスの先生が溢れている。

(たいてい彼らはヨーロッパにお呼ばれするので、一年の大半はブエノスアイレスにいないけど。彼ら二人も3月からはデンマークに行くらしい。それでもうまくタイミングが合えば密度の濃いレッスンがたくさん取れる)

ブエノスアイレスはタンゴ天国だ。

そこだけは本当に質と量共に世界一だろう。

ほかがダメなだけに、そこが際立つ。

たぶん起業と同じで、何事もゼロから始めるのが好きなのだろう。

そして、どんどん自分なりに向上することに快感を覚える。そのために自分に合った適度な負荷をかけるようにして、少しづつ向上させていく。そのプランを考えるのも楽しい。

仕事も大切だが、プライベートでも、何かひとつそのようなものを持っていると生活に張りが出る。別にプロを目指す必要はない。自分が到達出来る最高地点を目指せばいい。そのためにどうするかを考えるのはとても楽しい。

Medialunas

そんなエルナンとフロールに呼ばれてミロンガをはしごして、最終的にはLa Virtaというところに行ってきた。ここは毎日深夜3時を過ぎると入場料が無料になるので、それ以降に行くと、先生クラスの人たちがわんさかいるというところだ。

(まあ、元々入場料は500円くらいだけど・・・・)

今回のブエノスアイレス滞在、最後の週末ということで、シャンパンを注文した。そして、深夜4時になると出来立てのメディアルナス(クロワッサンの小さいやつ)が注文出来る。

シャンパンとクロワッサン。

ブエノスアイレスにしか存在しないであろう組み合わせだ。

そして、朝6時に解散となった。

まったくのシラフで朝帰りするなんてことは、日本では考えられないが、ブエノスアイレスではそれが普通だ。

結局、夜の18時から踊り始めて、ミロンガを3つはしごして、朝の6時になってしまった。こんなことはもう当分やらないと思う。

メキシコに行ったら、また違う生活が待っているだろう。

それはそれで楽しみだし、ブエノスアイレスに離れがたい魅力を感じてるのも事実だ。

これからのどうなるか分からないが、タンゴをしに、この地に舞い戻ってくることは確実だろう。その日が今から待ち遠しい。

※アンドレス先生のクラスは毎週火曜日と金曜日の夜7時半から9時半にCarlos Calvo 3745で行われています。フロールとエルナンのFACEBOOKこちらから。そこでグループレッスンの最新情報が更新されています。