Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

世界にまたがる腰痛という悩みについて:メキシコシティより

腰痛になった。 なんだろう、この情けない響き。

[caption id="attachment_8673" align="aligncenter" width="622"]腰痛

「40度近い高熱を出して、一週間寝込んだ」と言った時に受けられる同情から程遠い、どうしようもないほどの情けない響き。

ぎっくり腰なんてもっとひどい響きだ。 しかし、10年前に日本でテニスをしているときに、ひどいぎっくり腰をしてから、2,3年ごとに立てなくなるほどの腰痛に悩まされている。

今週の日曜日に朝起きたら、ベットから立てなくなるほどの腰痛に悩まされており、数メートル離れたトイレに行くにはハムレットのように「生きるべきか、死ぬべきか・・・・」といったくらいに深い悩みに悩まされるほどだった。数ミリ単位で動くだけで激痛が走ったので、まさにトイレに行くという行為がミッション・インポッシブルだったわけだ。

日頃から腹筋や柔軟体操をしても、来るべきときは来るこの腰痛というやっかいな病。 そして、ひどい腰痛に悩まされた人にしか伝わらない激痛。

体言止めをしてどんなに表現しようとしても、全く伝わらないぎっくり腰という病の恐ろしいまでの衝撃的な実生活における破壊度。

2、3年前にブエノスアイレスでテニスをしてぎっくり腰にまたなり、当時のスペイン語の先生オススメの整体師を呼んだら、施術が終わった後立ち上がったら、急に腰の血流が良くなったからか生まれて初めて貧血になり、台所でそのまま失神して、したたかに冷蔵庫に頭を打ち付けたことはここだけの秘密だ。 (ついでにその家を退出するときに、大家さんには1万程度の修理代を請求された・・・絶対修理なんてしないはずだけど、たしかに冷蔵庫が自分の頭突きで凹んだのは事実だので仕方なく支払った)

打ちどころが悪かったら死んでいたところだ。 死因がぎっくり腰・・・・それだけは避けたい。

そして、その整体師はパリに住んでいる友人の友人だったらしく、「ブエノスアイレスでオンライン英会話スクールを経営している日本人にあった」とその友人から聞いたらしい。

世界は狭い。

いまはしかし、そんなことはどうでもいい。 順調に腰痛は回復してきているが、未だにまともに座ることもすらままならない。昨日もスタバで一仕事したら、ひどい激痛に悩まされて「おじいちゃん」のようにヨチヨチ歩いていたら、「ユウキ!」と通り過ぎ去る車から声がかかった。

名前は知らないが、なんとなく顔は知っている知り合いだった。 本当に世界は狭い。

向こうはこちらの顔も名前も知っているが、こっちからしてみると、その他大勢のなかのメキシコ人というくくりなので、なかなか名前も覚えていられない。ごめんよ。

人は痛みがあるとまともに考えることすらままならない。 まったく営業妨害もいいところだ、腰痛というやつは。

これほどの痛みを抱えながらも、人からは一切同情も受けられず、どちらかというと「残念な人」扱いされる次第だ。ヨチヨチ歩きながら知り合いに声をかけられるという失態も犯してしまったので、おちおち外にも出られない。

メキシコ人の友人アビマエルからは彼の元ルームメイトの外科医に相談してみようかと言われたが、ここはもうおとなしくベットでうずくまっているに限る。下手に誰かを呼んでまたしても貧血になって、頭をしたたかに打つことだけは避けたい。

腰痛とは、こう考えてみると、台風のようなものだ。 対策はなるべく家のなかにいってじっとしている、それぐらいしかない。

ほふく前進しか出来なかったのが、いまでは立派に二本足で歩けるくらいは回復した。 しかし少しの間座ってそれから立つと、クロマニョン人ぐらいしか背中を延ばすことが出来ない。

はやく人間になりたい・・・・・