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Keep My Word

19歳から旅を始めて、スコットランドで英語を学び、アルゼンチンでスペイン語とタンゴを学び、メキシコではサルサをかじり、オンライン英会話/スペイン語スクールを運営している男のブログです。海外滞在歴10年、50カ国ほどぶらぶらしました。

正しいものが勝つのではなく、勝ったものが正しい:DMM英会話の戦略

思えば、5年ほど前にオンライン英会話スクール「ワンズワードオンライン」を始めた時は、プレイヤーは少なかったし、他社にそれほどの脅威を感じていなかった。だいたいイケていないウェブサイトが大半だったし、英語教育に関しても素人ばかりだったからだ。

だから、当時の格安オンライン英会話スクールが月額5000円で毎日25分レッスン受講可能、1レッスン100円程度という驚異的なビジネスモデルでも勝算はあると踏んでいたし、実際5年ほどやってこれた。

DMM英会話

それがDMMという黒船到来で一気にオンライン英会話業界も変わり始めている。

いつ終わるかもわからない半額キャンペーンを行っており、月額2950円という驚異的なキャンペーン価格だ。ちなみにうちは月額6800円だから、半分以下の値段で受講できてしまう。業界シェアNo1と言われているレアジョブが月額5800円だから、末恐ろしい価格攻勢である。

松屋吉野家が繰り広げている牛丼低価格戦争に勝るとも劣らない仁義なき戦いだ。 うちもアベノミクスの円安で息も絶え絶えなのに、値上げが出来ないのは、このようなシビアな戦いがあるからだ。

価格攻勢もそうだし、DMM英会話はマーケティング戦略が素晴らしい。

いや、もう安部首相も真っ青の全方位マーケティングをしかけており、おぎやはぎを使ったテレビコマーシャル、ネット業界の寵児「バイリンガール」を使っての宣伝、さらにネット上の英語学習についての有名人によるブログなど、やりたい放題だ。

そして、ついにはホリエモンこと堀江貴文氏まで担ぎだしている。

これは「オンライン英会話スクール焦土作戦」とでも呼べばいいのだろうか。

大半の格安スクールは全く同じビジネスモデルだが、DMM英会話はネイティブも雇入れ、差別化も図っている。 (ちなみにネイティブの先生の予約は全然出来ないらしいですけど・・・・そんな人はぜひうちに!)

DMMグループはグループ全体で総売上1200億、利益は130億と言われている。 (詳しい情報はこちらから)

もうね、黒船ですよ。 ドラゴンボールで言えば、超サイヤ人が乗り込んできたと同じ状況です。

うちなんか、それに比べたらスライムぐらいの戦闘力しかありません。 DMMは利益130億のうちの1億や2億をオンライン英会話に注ぎ込んでも、痛くも痒くもない。

ただ弱いものには弱いものの戦い方もあり、愚直に「レッスンの質」を追い求めつつ、2年前からネイティブスピーカーを積極的に雇い入れ、さらには今年に入っても口コミで有名なフィリピンの語学学校CNE1と提携し、NGO団体である「テラ・ルネッサンス」とも提携した。

そして、スペイン語、日本語オンラインスクールも開講し、違うマーケットにも進出した。 (まともにやっても打ち勝てる相手でもないし、大手を含めた多くのスクールは今後、淘汰されていくだろう)

この世の中、正しい者が勝つのではなく、勝ったものが正しい。

自分がDMM並の資金力があれば、きっと同じような戦略をとっていただろうとは思う。 えげつないかもしれないが、オンライン英会話スクールでの利益は度外視し、とにかくシェアを伸ばして業界ナンバーワンになった暁には価格を上げていけばいい。それが後出の企業が出来る最良の戦略だ。

ほかの業種で利益を出して、特にいまだにエロ関係は儲かるだろうから、「エロで稼いだ金を英語教育に!」という中々威勢のいいスローガンを打ち出すことも出来る。

この「オンライン英会話スクール焦土作戦」はしばらく続くだろう。

うちのような小さなスクールが取れる戦略は限られているが、「細く長く」生き延びることを目指し、DMMのような格安オンライン英会話スクールで満足出来なくなった英語学習者の方々の受け皿になることを目指す。

確かに勝ったものが正しいが、生き残ったものもそれはそれで社会に必要とされているということだから、それもひとつの戦略だ。ぶっちゃけ格安オンライン英会話スクールはどこも似たようなビジネスモデルで、同じような賃金しか先生に払うことが出来ない。よって、うちが今後も優秀な先生を高賃金で囲い込むことによって生き延びていくことは可能だろう。 (これ以上の円安になると・・・・・・こ、こわい)

DMMのようなプロフェッショナルな会社が出てきたことによって業界全体のレベルも上がるし、オンライン英会話スクールの知名度も伸びていくだろう。ただ、今後の生き残りはうちのような小回りの利くスクールよりも、多くの資本をぶち込んでいる大手スクールのほうがより厳しい戦いを強いられるは確かだ。

英語学習には近道はないし、本来であれば、「安さ」に惑わされて、本来の目的である「きちんとした英語を話せるようになる」を疎かにすべきではない。だが、それは所詮はナイーブな意見だ。多くの人は目に見えるものにしか惹かれないし、「安さ」に較べて「レッスンの質」だけを強調するのはいかにも弱い。

きっとオンライン英会話スクールは今後はDMMのような大手1社か2社、あとは「安さ」以外の特色をきちんと打ち出している中小のスクールしか生き残っていけないだろう。それが日本の英語教育のためになるかどうかは分からない。

ただ、少なくてもオンライン英会話スクールを始めた初心を忘れず、「真剣な英語学習者のためのスクール」であることは常に心がけていきたい。