Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

誰も相手の立場なんて考えないラテンの国からこんにちは。

メキシコシティでは、よくスターバックスで仕事をしている。ソファは座り心地がいいし、なにしろWIFIが安定しているからだ。

そんな話をメキシコ人の知人に言うと、「スターバックスなんて高いだけだ。もっとほかに良いカフェがあるし、そこのコーヒーはもっと安くておいしい」と自分のお気に入りのカフェを薦めてくる。そして、たまたま今日そのお薦めのカフェとやらに行ってみたら、座る椅子もなく、ただのコーヒースタンドだった。

別にコーヒー飲みにスタバに通っているわけではない。 仕事をしに行っているだけだ。なんなら、コーヒーなんて飲まなくてもいいぐらいだ。同じことを日本人の友人に言ったら、きっと座り心地のいいソファが置いてあるカフェや雰囲気が落ち着いたカフェを薦めてくれるだろう。

こういうことはしょっちゅうある。 オンライン英会話スクールを運営していると言うと、「自分の知り合いに政府関係の人間がいるから、おれが売り込んでやる。でも価格は・・・・50%ぐらい安くしないとダメだ」とろくでもない提案をされる。

50%オフにしたら赤字だと言っても、譲らない。

住むところを探しているというと、自分の職場の近くにいい物件があると言って教えてくれるけど、いざ行ってみるとこちらの条件とはほど遠い。メキシコ人は根はいい人たちだと思うが、「相手の立場に立って考える」ということがとことん出来ない人たちなんだなと思う。

秋祭り(メキシコ日本商工会議所主催の秋祭りに参加してみた。ありえないくらいの人混みだった。日本ブームが来ているのか?)

ブエノスアイレスに住んでいた時は、そこまで構ってくるアルゼンチン人はいなかったので、メキシコシティに来た時は、そんなメキシコ人の対応が新鮮だった。彼らはとにかく何かをこちらに提案したがり、良かれと思って色々と薦めてくる。そして、ほぼ100%それらは的外れなものばかりだ。 (アルゼンチン人はまた違った意味で押しが強く、その根拠のない圧倒的な自信を糧にここラテンアメリカでは、けっこうな成功を収めているビジネスマンも多い)

海外では総じて、「相手の立場に立って考える」ということは、高等なスキルであり、一般人はそのようなスキルを身に付けていない。そういうところにたくさんのビジネスチャンスがあるのだろうなとは思う。

彼らは別に自分の都合を押し付けているという意識は当然ない。本当に良かれと思って言っているだけだから逆にタチが悪い。

でも、やはりなんだか憎めないし、当然彼らにそのようなことをいちいち指摘はしない。ラテンな国では、人と人の距離があいまいだ。都合が悪いことはなかったことになってしまうし、みんな総体的に自己評価は高いから、彼らのプライドを刺激しないように注意しないといけない。

我ながらよく飽きないなと思いながら、今日もラテンな日々をここメキシコで送っている。