子供の頃、明日が来るのが待ち遠しかった。
時が過ぎるのが、遅過ぎて僕はよくいらいらしていた。
早く大人になりたかったし、すべてを経験したかった。
最近、時間が過ぎる速さに愕然とする。
月曜日が来て、あっという間に週末になり、また仕事の毎日だ。
何もかもが未経験の子供の頃は、予測不可能のことの連続だったから、体感的に時間が過ぎ去るのが遅く感じられたのだろう。
今は毎日、明日のことを考えている。
失敗しないように、プランを練り、無事に時が過ぎ去るのを見守っている。
別にそれが悲しいことだと思わないし、当然のことだと思っている。
ただ、時々懐かしく感じられるだけだ。
人間は僕たちが思っているより以上に順応性が高い生き物だ。
危険がいつのまにか危険ではなくなっている。
それでも、そういった子供の頃ワクワクしたことを忘れられない人間は、どうにかこうにか楽しもうとするものだ。
人は人生をゲームだとよく言う。
僕も心底そうだと思う。
より楽しくゲームをした人間が本当の勝者だ。
物事に対して深刻ぶる人間を人々は重用するが、そういった人間はなんの創造性も発揮していない。
与えられたゲームの題材は、各人の人生であり、全くもって非常にフェアだ。
それを楽しみながらいかに自分が目指すゴールへと向かっていくかが、鍵となる。
僕らが抱いている80%ぐらいの悩みは取るに足りない、どうでもいいような悩みだ。
でも、それはそれで悩む価値のある正当な悩みでもある。
そこで創造性を駆使して、その悩みをなんとか楽しみの方向へと変えながら、生きていくのだ。
大人になった僕たちは、そういった遊びで日々を楽しむのだ。
あくまでゲームと自覚した上で。