Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

経済成長が貧困層を増やすという現実:メキシコより

またメキシコシティへと舞い戻ってきた。 ブエノスアイレスにいたときも、メキシコシティでも、「どうしてメキシコなのか?」と訊かれるが、いまだにその回答が見つからない。

ただこの街に来た時に、なんらかの可能性を感じたのは確かだ。

2013年の7月に来て、それから出たり入ったりを繰り返し、結局トータルでは1年ほど滞在している。それでも、まだその明確な答えが見つかっていない。ブエノスアイレスでビジネスをすることは想像出来ないが、この街には新興国ならではの勢いを感じる。

メキシコしhth

メキシコシティに初めて仲良くなったメキシコ人がアビマエルだったから、「メキシコ人はなんてしっかりしていて、優秀なんだ!」とうっかり勘違いして、だらだらと過ごしてしまった気もする。1年経つと、その認識もすっかりと変わり、「メキシコ人に何かを頼むよりは、すべては自分でやったほうが100倍仕事が早い」ということに気付いたわけだ。もちろん、中には日本人以上にしっかりしているアビマエルのようなメキシコ人もいるので、今後に期待している。

メキシコでは人口の半分以上が貧困層だと言われている。

メキシコの貧困層 4年で1300万人増 (2011年の記事だが、この傾向は今でも変わらない。経済成長をしても貧困層はまるで減っていない)

レスポンシブル・エコノミーを考える・クァウテモック・レオンさん(メキシコ 環境マネジメント・スペシャリスト・センター)

それを裏付けるようにメキシコ人のレオンさんのインタビューでは、経済成長が逆に貧困層を増加させていることが指摘されている。メキシコでの日々の生活の中で、それはとても強く感じることだ。路上でタコスやモノを売っている人たちにとって経済成長など関係ない。彼らは日銭を稼ぐことがやっとで、未来に関して展望など描きようがない。

その一方で、バカンスのたびに海外に出かけ、運転手付きの車を乗り回している裕福なメキシコ人たちがいる。彼らが働いている様子はない。親のビジネスをそのまま引き継いでいるだけで、金がどっさりと入ってくる。それがメキシコでの「金持ち」だ。彼らは日本人が想像を絶するほどの金持ちでもある。

日本は戦後の経済成長で一億総中流という特殊な国家を築いたので誤解しているが、今の新興国の多くはメキシコのように金持ちがより金持ちとなり、貧困層はずっと貧困層のままだ。その矛盾は新自由主義と言われる自由貿易では絶対に解決出来ない。かといって、アルゼンチンのように鎖国をしても、金持ちはまたより金持ちとなる下地が生まれる。

八方ふさがりな状況ではある。

スペイン語のオンラインレッスン

何人かメキシコ人をオンラインスペイン語レッスンのために雇っているが、メキシコ人とのかかわり合いはそれでもまだ薄い。せっかくメキシコにいるのだから、この国でしか出来ないことを今後実践していきたいと思っている。

知り合いのアメリカ人の起業家は「メキシコのような新興国でビジネスを展開するよりは、アメリカや日本でビジネスを展開したほうが数倍は早い」と言っていた。それは一理ある。だが、先進諸国の成長はすでに頭打ちなので、今後のためには新興国にビジネスを展開したほうがより成長が期待できるのも確かだ。

どちらも一長一短だが、両方の可能性を模索しながらビジネスを展開していくのが一番だろう・・・・まあ、それが出来れば苦労しないけど。