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Keep My Word

19歳から旅を始めて、スコットランドで英語を学び、アルゼンチンでスペイン語とタンゴを学び、メキシコではサルサをかじり、オンライン英会話/スペイン語スクールを運営している男のブログです。海外滞在歴10年、50カ国ほどぶらぶらしました。

タンゴとブエノスアイレスについて

Photodiary ブエノスアイレス

起きたのは深夜0時半だった。

今日はワンズワードの先生たちの何人かと会う予定だったが、結局人数の集まりが悪く、直前キャンセルとなった。

彼らとは夜10時に会う約束だったから、すでにその場所に向かっていたのでとても残念だ。 仕方がないからそのまま家に引き返し、疲れたので少し横になって寝て、起きたのがその時間だった。

ブエノスアイレスの夜は遅い。 夕食は夜10時からが当たり前だし、週末友人たちと待ち合わせするときは深夜1時過ぎということもある。タンゴを踊るときもたいていの場合夜11時からスタートする。

昨日はアメリカ人の友人がブエノスアイレスを発つので、最後のミロンガだからということで友人たち数人で踊りに行った。そして、タンゴ友達の台湾系アルゼンチン人のイグナシオに写真を撮れと言われたので、律儀にiPhoneで何枚か撮った。

iginacio2015

イグナシオは「タンゴの上手い下手なんて関係ない、おれは美人としか踊らない」と豪語しているある意味、男の鑑というあっぱれな男だ。(まったくもって、熱心にタンゴを練習している女性の敵ではあるけど)

タンゴを始めたばかりの頃、「なぜかいつも美人を連れているアジア人がいるな」と思ったことがあったが、その彼と友人になるとは思わなかった。

ミロンガでは、男性が女性を誘うルールなので、男性に選択権がある。もちろん、女性も誘われてノーと言えるが、そうするとその男性から二度と誘いはかからないので、かなりリスキーではある。

イグナシオは気に入った女性ができると彼女たちを誘って同じテーブルに座らせるので、すると美人同士も友達になるので、ブエノスアイレスで一大美人ネットワークを作っているという偉大な男でもある。異国の地で一人でミロンガに行くのも不安だろうから、ある意味社会貢献をしていると言えるのかもしれない・・・・

そんな日を過ごしたあとなので、少し疲れていたが、まだ深夜0時半。 ブエノスアイレスでは寝るには早い時間だ。

タクシーを飛ばせば5分でミロンガに行ける距離に住んでいるので、やおら起き出して、身支度をして、0時45分にはすでサロン・カニングというブエノスアイレスでも老舗のミロンガの聖地に着いた。

salon2015

深夜1時過ぎからオーケストラの生演奏や一流のダンサーのショウがあるので、いい時間に来れてよかったと思う。たまたま一緒に踊った人になんとなく見覚えがあったので、訊くと、3月に一度踊ったことがあるという。たしかに3月までブエノスアイレスに滞在していたが、オーストリア人の彼女も今年2回目のブエノスアイレス滞在という。

日本からも遠いが、ヨーロッパからもけっして近いとは言えない辺境の地ブエノスアイレスによく来るものだと自分のことを棚にあげながら思った。そして、顔見知りのブラジル人女性がいたので一緒に何回か踊った。彼女も今年2回目のブエノスアイレス滞在だ。

「まったく君はタンゴ気狂いだね」というと、「あんたに言われたくないわ」と言い返された。たしかに彼女が住むサンパウロからは飛行機で2時間の距離だが、日本からは30時間から40時間はかかる。距離感に対して、どこか感覚が麻痺しているのかもれない。

疲れていたので、そんなに長居するつもりもなく、2時間くらい居て、またタクシーを飛ばして家に帰った。

悪くない日だった。

こんな毎日が続くとは思わないし、続いて欲しいとは思わない。 ただ、今はこれがいい。

これからまた新しい仕事も始めるだろうし、住む土地を変えるかもしれない。 だが、ブエノスアイレスは世界中で唯一無二の街であることは確かだ。

外国人も色々と文句を言いながらも、「こんな街は世界中にひとつしかない」と言っている。気持ちは分かる。長く住めば住むほど嫌なことも増えるが、それはきっとどこの国に住んでも一緒かもしれない。メキシコシティにもロンドンにもエディンバラにも住んだが、住んだ後に戻りたい気持ちになる街はそうは多くない。

ただ2、3ヶ月の滞在がベストな街と思う。それ以上いると嫌なことが増えるし、疲れることも熟知している。

一期一会。 タンゴを踊っているとそんな言葉が思い浮かぶ。

ヨーロッパ、アメリカ、日本でもミロンガに行ってタンゴを踊ったが、どこか違和感があった。 ブエノスアイレスのミロンガには世界中からタンゴを踊りに来る人がいるから、世界中の人たちと知り合う機会がある。どんなに彼らと仲良くなっても、我々はいつかはこの土地を離れることはお互い了解済みだ。

タンゴが好きなのか、この独特な雰囲気のミロンガが好きなのか、よく分からない。 何事も突き詰めてやる人間なので、もうしばらくはこの世界にどっぷりとはまるのも悪くないのではと思っている。