Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

7月を振り返って:原田先生の中長期レポート

もう明日から8月になる。

先月も時間が経つあまりの早さにびっくりしたが、今月はさらにその感が強まった気がする。気のせいだろうか?

 

先月、このままではまずいと思い、もっと色々と知らなければとちょっとした強迫観念に駆られて、二つのオンラインサロンに入ってみた。

 

lounge.dmm.com

 

salon.jp

 

どちらのサロンも今更感が強いほど超有名なサロンだが、実際に入ったことはなかったので、とりあえず覗いてみようと思って入った。

 

西野さんのサロンは毎日、「おお!」「確かに!」「すげえ!」と感心できる投稿が多々あり、とても勉強になる。かたや、ホリエモンのサロンは自ら積極的に分科会や支部会、あるいはホリエモン参加のパーティーやフェスに参加しないと面白味が味わえない。

 

こちらはすでにCS60の施術を通して日々新しい出会いがあり、さらに毎日ほかの仕事やタンゴで忙しい。よって、わざわざ見ず知らずの人たちの集まる会合に行く気持ちがどうしても湧かず、けっきょく今日退会した。

 

そこでふと、以前購読していた吉本ばななさんのnoteを思い出して、ポチった。

(なぜ継続していないかというと、クレジットカードの更新を怠り自動退会になったのだ。)

 

note.com

 

作家のリアルな生活が垣間見え、さらに深く考えさせられる文章も多い。これといって癒される文章でもないのに、なぜか最終的には癒されたりする不思議な内容だ。

 

ご主人もCS60の施術を行っているし、どこかしら親近感も湧いてくる。アルゼンチンの首都ブエノスアイレスに住んでいる頃に、彼女の「不倫と南米」を読んで、作家の想像力とはかくもすごいものかと感動したことがある。

 

ただ取材旅行で訪れた土地なのに、しっかりと現地の質感だったり、空気感が表現されていてびっくりした。

 

ホリエモンからばななさんにいわば鞍替えしたわけだが、どことなく自分的にはしっくりくる。

 

もう、なんか疲れちゃうよね、ああいう感じは。おっさんだからかもしれないけど。でも、きっとあのサロンで一番楽しい思いをしているのはホリエモンなんだろうなーとはおもう。

 

おっさんとは、観賞したり愛でることに喜びや楽しみを感じる年頃なのだろう。

 

で、この文脈とはなんの関係もないが、いつも会員様にCS60目黒をご紹介いただき、大変お世話になっている原田武夫先生の中長期レポートを初めて購入した。

 

haradatakeo.com

 

今まではずっと原田先生のFBや無料のYoutubeを見ているだけだったので今後の世界の全貌はよく理解していなかった。しかし、このレポートを読んで、これから起こり得ることが理解できた。

 

今月はぶっちぎりでこのレポートが一番衝撃的な内容だった。5万円とちとお高いが、それだけの価値はある内容ですので、ぜひご購読ください。

(1年ほど前にCS60目黒を原田先生のYoutubeチャンネルで紹介していただきました。本当にありがとうございます。)

 

 8月はどんな月になるのか、今から楽しみだ。

82歳の女性の体験談:CS60

82歳になるお母様が娘さんに連れられ昨日、目黒にお越しになった。娘さんがお書きになった症状は下記だ。

 

症状: 82歳、女性です。身体全体の不調感、ストレスを取りたいことと、腰、股関節にある痛みをなくしたい。

10年程前の日舞のお稽古での疲労が大きなダメージで、右側の背中が盛り上がるように円背、腰痛、その影響か右股関節に痛み有り。

花粉症、胆石あり。 40年に足首を捻挫し、長年正座が苦手と言っている。25年くらい前に鬱になり安定剤を服薬チックも出る。同時に歯の噛み合わせが悪くなった気がすると、いくつか歯科を受診、その頃からよくガムを噛んでいることが多い。 杖などなく、自転車にも乗っている。

 

またお母様は補聴器をつけても大きな声を出さないと会話は困難なので、まずは耳から施術を始めた。

するとうまい具合に痛みを引き出せたので、両耳とも施術をし、それから全身を施術をした。気をつけたことは、背中が随分と強張っていたので、そこを重点的に施術をした。

 

目に軽く当ててもひどい痛みが出るようだったが、それでも抜けると後々楽になるので施術をした。

 

娘さんの方は右腕の腱鞘炎が一番気になるということだったので、お母様が着替えをしている間に素早く施術をし、終わらせた。あとはヒプノセラピーでリラックスしていただき、CS60を全身にかけて終了した。

 

面白かったことがひとつある。

お母様ご自身はあんなに痛かったのに、娘さんは全く痛がらず、それどころか眠っているかのようだった。そこでお母様がにじり寄り「私はあんなに痛かったのに、あなたは全く痛くなく寝ているのね!」とおっしゃったことだ。

 

そして、今日、娘さんからお礼のメールが届いた。

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松岡先生

昨日はありがとうございました。おはようございます、
施術後、母とお茶をしたのですが、とても楽しそうにお喋りをしていました。耳の感度が上がった様子でした。
 
そして、左の眼球の上に器具がのった時はとてもとても痛かったんだけど、凄く綺麗な星みたいなのが見えて不思議だったと話し、それに比べ右は痛いだけで何も見えないので、なにかよくないのかしらと心配したんだそうです。笑笑 
 
痛みの中でも、しっかり身体を感じながら受けていた様子です。そして、もうあの痛みは忘れちゃったわ!とまで言っていました。
 
気が整い、身体もすっきりと爽快な感覚を思い出した様子でした。
ありがとうございました。
 
私はアザが出ていますが、右腕、掌、指ともに良い感じですし、とてもエネルギーが整っています。催眠セッション、良かったです!!!
 
ありがとうございました。
良き一日でありますように^_^

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最近、よく左目にCS60を当てると、宇宙が見える、星が見える、銀河が見えるなどなど言われることがとても増えた。自分自身、そんなものは見たことがないので、全く共感できないのだけど、とても綺麗とおっしゃる方も多いので、それはそれでいいことなのだろう。

 

とにかくご満足いただけて何よりだ。

 

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CS60目黒 in 長野!

7月8日、9日は長野の安曇野にお住まいのお客様にお呼ばれして、高速バスに乗って長野まで行ってきました。2日間で合計19件の施術をこなし、多くの方に新しくCS60を知っていただきました。

 

インドの施術会の時もそうでしたが、短期間で多くの施術をこなすと、多くの学びがあります。今回は30分おきに1日10人近くの方々を施術したことにより、新しい施術方法も思いつき、とても有意義な施術会でした。ありがとうございました。

 

とまあ、こんな感じでいつでも全国からお呼びがかかれば出向きますので、引き続きよろしくお願いします。

 

長野に着いたら、主催者の方がとても美味しいお蕎麦屋さんに連れて行ってくれました。木鶏というお店でした。超オススメ!

 

 

 

リラックスCS60の開発秘話。

1. リラックスCS60が生まれた経緯

直接のきっかけは、今年の1月に第二回のインド施術会で西村先生と話したことだ。がんのお客さんを施術するときに、あまりの痛みでそのお客さんが耐えられそうにないので、病院に行って麻酔注射をしてもらってから、その方の施術をしたとおっしゃっていた。

 

いやー、痛みがでないから、ススッと施術が出来てよかったよ!」と満面の笑みでおっしゃっていた・・・・痛み、必要ないのかよ!と思ったが、逆に可能性を感じた。

 

施術初期は、誰でも痛みが出る箇所を狙って施術をする。むしろ、どこをどうやったら痛みが出て、それによっていかに症状が改善するかに集中する。自分もそうだったし、他の施術者もそうだろう。

 

よく誤解をされている方が多いが、CS60を擦る強さなどは、痛みを引き出す上では重要ではない。正しく扱えば、置くだけで痛みは出るし、実際何人もそのような方達を施術してきた。

 

2. 麻酔以外での痛みを緩和する方法としてのヒプノセラピー

お越しいただくお客様に毎回病院に行って麻酔注射を打ってもらうわけにはいかないので、それ以外で痛みを緩和する方法として催眠、いわゆるヒプノセラピーに目をつけた。

数冊本を読んで、半信半疑ながらヒプノセラピーをしてからCS60の施術をしてみたら、ほぼ100%の人たちに効果があった。自分でもびっくりした。

始めてから数ヶ月の間は、ただ催眠誘導を行い、暗示をかけ、施術を行うというものだった。またヒプノセラピーのマンツーマンコースにも通い、さらに腕を磨いた。

 

その段階だと、痛みは和らぐが、「気持ちがいい!」「パラダイス!」という領域にはまだまだ遠かった。

 

3. エリクソン流の催眠療法

自分自身のヒプノセラピーのさらなる発展のために情報収集すると、ミルトン・エリクソン心理療法に興味を持った。彼の哲学は、「人は元来、自分自身を癒す力を備えているので、彼らを信頼して、その癒しの手助けを手伝えばいい。」というものだ。日頃、西村先生がおっしゃっていることと相違ない。

 

西村先生はシンプルに「細胞の力はすごい!」と。(いつも思うけど、説明が雑!)

 

ヒプノセラピー、あるいは催眠と聞くと、なんだか小手先のテクニックで人を騙して、自分たちのいいように扱うというイメージが強い。しかし、エリクソンが提唱しているのは、そんなものではない。彼の深遠な哲学、思想に心打たれた。

 

サロンに来る人たちの癒しの力を信じて、それをヒプノセラピーでうまく引き出し、CS60をかけることによって、実際に癒していく。そのプロセスにおいて出てしまう痛みもヒプノセラピーによって取り除かれ、とてもリラックスした状態で施術を受けられる。

 

ある意味、理想的な施術と言える。

 

西村先生が代官山で行った講演で、「松岡さんの施術は日本一痛いから。日本一痛いということは世界一だよ!」と揶揄されたのが、嘘のようである。(確かに自分でも置くだけで痛いと言われて、どうしたものかと悩んでもいた。)

 

4. 人間が持つ偉大な癒しの力

 

エリクソンの「アンコモンセラピー」という本の最後のエピソードが象徴的だ。

 

とあるプロイセン系のドイツ人が脳卒中で倒れ、一命は取り留めたものの、そのあと全身麻痺で口も聞けず、車椅子生活になった。倒れてから1年間、誇り高きプロイセン民族出身の彼は妻や周りの方々からの献身的な看病を受けた。

 

ただ、それが彼のプライドを著しく傷つけ、その1年間で彼は多くの自分自身への怒りという感情をため込んだ。

 

エリクソンのところに診察に来た時、エリクソンはそれを見抜き、彼にこう言った。「お前は本当にくその役にも立たないナチ野郎だな!」と。続けてあらゆる罵詈雑言を吐き、それでもお前は明日ここに戻ってこないとだめだ。そして、「来るか?」と彼に聞いた。

 

そしたら、その誇り高きプロイセン系のドイツ人である彼は、口がきけないはずなのに、「いやだ!」と言って怒りのあまり車椅子から立ち上がって診察室から出て行ってしまった。

 

1年前の脳卒中で全身麻痺となり、口がきけないはずの人間がだ。

 

他にも多くの信じられない事例が記録されている。そのどれもが人間の持つ偉大な癒しの力の証明になるだろう。

 

エリクソンの真髄はその魔法のような催眠の技術にあるわけではなく、このようにあくまでその人の人柄を見抜き、適切なやり方で治療を行う。催眠を使う場合もあるし、使わない場合もある。メソッドは重要ではない。

 

あくまで個人に寄り添った治療方法だ。

 

5. リラックスCS60のこれから

今では、多くのかたに「施術が気持ちいい!」と言われ始めている。阿鼻叫喚の地獄絵図だった目黒のサロンが嘘のように静かになった。果たして、これが正しいやり方はどうかはわからないし、従来の方法での施術も当然行っている。

 

それこそ、その人に合ったやり方であればいい。もしかしたら、言葉ひとつでその人は癒されてしまうかもしれないし、常にお客様に寄り添う姿勢はとても重要だ。

 

ただ、今後はこのやり方をより強固なものしていき、さらに他に違う方法があるならば、それも追求していくつもりだ。

 

日本一痛いCS60の施術者であり、日本一気持ちのいい施術者でもある。

まずはそれを目指していこうと思っている。(日本一痛いのはすでに達成していますが・・・・)

無意識の世界と外国語学習について

最近はエリクソンの著書をたくさん読み、すっかり無意識の世界にハマってしまった。

 

だが、よくよく考えてみれば、外国語習得にも無意識は非常に深く関連している。なぜならば、「成功した外国語学習者とは、無意識でターゲットとしている外国語を話せる学習者」と言えるからである。

 

よく寝言を外国語で話したら1人前という話があるが、それもあながち嘘ではない。

 

文法や語彙を意識せずにスラスラと外国語を話せるようになるのが、外国語学習者の目標だ。

 

だからといってスピードラーニングのようにただ聞き流すだけで外国語を習得できるかというと、そうではない。意識的に学習し、その習熟度が上がるにつれて、無意識でそれを行うことができる。これはスポーツや踊り、音楽でも同じだ。

 

最近、中国語の先生から「1週間に1回しか勉強していない割には、中国語が上達している。」と微妙な褒め方をされた。確かに返す言葉ももない。

 

いつも中国語のレッスンが終わると、テンションが上がり、今週こそはもっと勉強するぞとやる気に満ち溢れるのだが、いつもあっという間に1週間が過ぎ、レッスン当日の1時間前に慌てて宿題をこなす・・・・そんな生活がかれこれ2年以上続いている。

 

それじゃあ、上達しないよなと我ながら深く反省している。

 

趣味としてはそれはいいのだろうけど、やはり無意識のうちに中国語が話せるようにはなりたいと思っている。コロナで時間があるときにもっとやれば良かったのだろうけど、後の祭りだ。

 

物事に習熟するということは、無意識でそれらを行うことができるようになるということだ。赤ん坊がハイハイから立って歩くようになることから始まり、勉強、自転車、自動車、踊り、外国語あらゆることにそれが言える。

 

仕事だって、意識がぶっ飛ぶくらい集中してやれば、すごい成果が出るだろう。あとは自分にとってそれぐらい集中してできるものを見つけるだけだと思う。

 

ある意味、それはフローに入るということだろう。これが目指してできるものなのか疑問だが、それを体系化しているのが、エリクソン心理療法なのかもしれない。外国語学習と心理学が関連性あると思って見なかったが、意外と親和性は高い。

 

なんでも好きで続けてできるものがあるだけでも幸せなのだろう。外国語学習、タンゴ、CS60の施術と自分にはいくつかそういうものがあるだけ運がいいのかもしれない。

 

でも、もっと中国語はがんばります・・・・

 

エリクソン流ヒプノセラピー炸裂!

量子デバイスCS60の施術は残念ながら、痛みを伴う。

特に悪いところをピンポイントで施術をすると、さらに痛みが増す。だから、最近ずっと催眠および心理療法でいかにその痛みを少なくし、施術をより効果的なものにできるかと腐心してきた。

 

先日、常連さんが奥様と息子さんを連れてやってきた。

 

息子さんは諸々の問題があり、西村先生にも4回ほど施術をしてもらい、それはそれはとんでもなく痛い施術だったらしい。僕のところにも2回来て、2回とも号泣だった。特に前回は、ただCS60を置くだけの施術だったのだが、それでもずっと泣かれてしまった。

 

しかしだ!

 

今回はヒプノセラピーがあり、エリクソンがいる。施術の2日前に、「息子が施術をどうしても受けたくないと言っているので、息子の分はキャンセルをしたい。」とお父様から連絡があったが、「心配しないでください。今は全く痛みは出ない施術が可能なので。」と返信しておいた。

 

正直、100%の自信はなかったが、少なくても号泣させることはないだろうとは思った。前回は僕自身にとってもトラウマになっていて、CS60を置いているだけでここまでの痛みを引き出せるのはどうかと思ってもいた。

 

6歳の彼にとって、確かにとんでもなく大変な決意だったろう。前回あれほどの痛みを伴った施術を受けにまた来たのだから。それだけでも尊敬に値する。

 

僕は今まで学んだあらゆる催眠の技術を駆使して、彼に対応して、そしてCS60の施術を行った。

 

そしたら、「すごく気持ちいい!」「次いつこようかな。」「本当にありがとうございました!」と大感謝でした。

 

エリクソン関係の本を買いあさり、独自に研究した甲斐があったというものだ。これからこの技法をどんどん極めていき、お越しいただく人全てが同じような気持ちの良さを実感できるようにしていきたい。

 

今後ともよろしくお願いします。

 

 

 

 

ミルトン・エリクソン 心理療法 レジリエンスを育てる

これは自分にもできることだ。あれだって自分にはできたはずだ。そのほかのことがあるとしたら、天に任されている。それを助けるのは、自分にできるあらゆる善行だ。

 

心理療法の産みの親と言っても過言ではないミルトン・エリクソンがあらゆる医師に必要なこととして上記のことを述べている。

 

そして、ラーナーとフィスク(1973)による画期的な研究の中では、それまで結果を予測すると主張してきた患者の属性より、自分には助ける力があるというセラピストの信念のほうが、結果の予測因子として優れていることを発見している。

 

要するに、あらゆる施術を行うものは「良き心」を持って施術を行わないと、結果は伴わないということだ。

 

 

ヒプノセラピーを行うものとして、エリクソンの著書は必読の書だと思ったが、これほど内容が濃いとは想像していなかった。彼が生み出した数々のテクニックや考え方は現代のコーチングにも生かされている。(ちなみにメンタリストのDaiGOもエリクソンの著書で学んだことは有名な話だ。)

 

特にこの本はうわべだけのテクニックではなく、エリクソンの深遠な哲学と思想が詳しく解説してあり、とてもためになった。

 

特に治療と癒しを全く別物として扱っているのに感銘を受けた。

 

治療とは施術、薬、あらゆる手技などの外的要因と定義されている。さらに薬とは、「きちんと働いてる正常な細胞には不要な外因性の化学物質で、比較的少量の服用によって体内の特定の細胞の機能を有意に変化させるもの」と定義されている。

 

そして、「癒しとは回復過程における内的リソースの活性化である。」

 

さらに「治療と癒しは医学的なものであれ、心理学的なものであれ、累積効果をもつが、治療は同時に癒しがなければ成功しない。」と定義されている。

 

その例として、右脚が壊疽になり、その治療としてその右脚の切断を余儀なくされた男性の話が紹介されている。治療行為としての右脚切断は成功はしたが、その男性は絶望のあまり自殺してしまった。右脚切断してもその男性が希望を持てるような癒しを担当医師は与えることはなかったのだろう。

 

逆にエリクソンは11年間関節炎で車椅子生活をしている男性を、彼を訪ねてきてその1年後にトラックドライバーとして社会復帰させることに成功している。

初めて来所したその男性は常に悪態を吐く嫌なやつだったらしいが、体は全く動かせないが、エリクソンは彼の親指だけは動くことに注目した。

 

男性にとってみれば「親指しか動かせない。」という否定的な事実だったが、エリクソンにしてみれば「親指が動くということは末梢神経は問題ないはずなので適度な動きをさせれば他の指も動かせるようになるだろう。」という見立てだった。

 

だから1週間親指を動かすにように指示し、そうすると中指も動くようになり、のちに全ての指が動かせるようになった。そうして全身が問題なく動かせるようになったというわけだ。

 

物事において、大事なのは解釈だ。

一つの事実をどのように解釈するかで人生が決まると言っても過言ではない。物事の事象は皆同じものを見ていると思い込んでいるが、100人いれば100通りのモノの見方が存在する。

 

施術者にとって重要なのは希望を持って、来所する方々の症状を見ることだろう(CS60の施術者だったら、CS60どうこう以前の問題だ。エリクソンはある意味、西村先生以上の奇跡を結果として残している。)

 

結局のところ、いつの時代も大事なのはものではなく、人であり、その心なのだと深く感じ入った本だった。