「知恵があるとされる者が、必ずしも本物の知恵があるわけではない。知らないことを自覚している自分の方が彼らよりは知恵がある。」
ソクラテス
ソクラテスの言葉を引用するまでもないが、日本人であるならば、「この世でいちばんの知恵者は自分である。」と思っている人はいないと思う。
それが、ラテンアメリカの世界になるとちらほらと出てきて、アルゼンチンまで来ると、自分自身が「無知で傲慢」である可能性すら感じていない人がとても多い。ポーランドでとあるアルゼンチンタンゴダンサーのワークショップに参加して、そう思った。
もはや、笑ってしまうくらい役に立たないワークショップなのだが、それでも世界的には有名という・・・・本当にもっとまともな人間がきっちり「タンゴを教える」ということをして欲しいと思った。
人に何かを教えるときは全体の設計とそれに対する準備が必要だし、教えた生徒たちがある程度、それらを再現できるのが望ましい。英語すら満足に話せず世界ツアーをしている彼らはある意味すごいとは思う。しかし、どうせタンゴで使う言葉なんて簡素な英語なのだから、丸暗記すればどうにかなるのだが・・・・それすらもしない。
彼らのパフォーマンスもとても評判悪く、教えることも踊ることもできないのになぜ世界的に人気があるのか謎すぎる。
それに引き換え最終日にショウをしたペアはさすがだと思った。これぞプロだなと思わせるキレキレの動きで観客を魅了していた。半端ない鍛え方をしているのが伝わってくる。
そんなこんなでワークショップを取るのは諦めて、観光をすることにした。ウォッカテイスティングをしたり街を散策したりクラクフを満喫することが出来たので、ケガの功名というやつかもしれない。
今年は香港から始まり、上海、台北、韓国と旅歩いたが、やはりアジアよりもヨーロッパの方が開放的で楽しい。
ヨーロッパの人たちは、「一人一人は違って当たり前だし、人間は基本的には愚かな生き物である。」と根底には割り切った考えがあるのかもしれない。それによって人への評価は加点式となるが、アジア圏は「お互いへの共通理解が前提となる減点方式」となる国々が多い。(もちろん、タイやフィリピンなど全く当てはまらない国々もある。)
少なくても東アジアである日本、韓国、中国あたりはその感が強い。
ただどこに行くにしろ、旅はやはりいいものだ。
色々な人との出会いもあり、気づきもたくさんある。今年と来年の初頭ぐらいまでは旅を続けていきたい。そして、また新たな地平線も見続けていくつもりだ。