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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

メキシコの地震について:汚職とファッションモデルとギャンブル

2017年9月19日の昼過ぎにメキシコシティ近郊の町を震源地とするM7.1の地震があった。

 

www.nikkei.com

 

メキシコシティに2年住んだので、地震の被害の映像や写真を見ると、自分の体の一部が剥がされるような痛みを感じる。

 

www.sandiegouniontribune.com

自分がよく見知った通りには人が溢れ、ビルが倒壊し、人々は混乱している。

 

32年前の同じ日に同じような巨大地震に見舞われて、多くのビルが倒壊した。だから、その教訓を生かして規制を強めたが、高い金を払って免震、耐震するよりも役人にお金を渡して不正建築をしたビルが倒壊している。

メキシコでは水道が止まったり、停電したりは日常茶飯事だ。それだけ脆弱なインフラの国にこのような地震があると、それだけ被害も大きくなる。

1985年の地震を経験して地震が怖くなり、メキシコシティから離れた街に移住した家族を何人か知っている。メキシコは巨大地震が来るものと認識し、それに対してきちんと対処しないとまた同じような混乱を巻き起こすだろう。

一度、メキシコシティのオシャレなバーで、ファッションモデルの仕事をしているすごく綺麗な女の子と飲んだことがある。

彼女のお父さんは役人をしていて、毎月5000ドルくらいの賄賂をもらっているのですごく金持ちだと言っていた。でも、そのお金をすべてギャンブルに使うから、うちにはお金がない、だから自分がモデルの仕事をして、自分と弟の学費を払っていると。

汚職とファッションモデル、それにギャンブルが同列に語られる国、それがメキシコの現実でもある。

それでも、自分を含めたメキシコに住んだことがある外国人、そして現在進行形で住んでいる外国人はメキシコが大好きだ。(ある意味、アルゼンチンとは非常に対照的だ)

トランプ大統領の問題発言、それに度重なる地震と災難続きのメキシコだが、ここからきっとまた復興し、よりよい国になっていくだろう。

その一助となるように自分も今後もずっとメキシコに関わっていきたい。