タンゴダンスアジア選手権に参加した。
大会に参加するのは3度目である。そして、初めて予選を通過し、ようやく準決勝には進めた。とくに今回の審査員は尊敬しているディエゴ&アルダナだったのでとても嬉しい。彼らが去年日本にいた頃、プライベートレッスンを取っていたので、彼らに言われたことを忠実に守って、練習してきた甲斐があったと思う。(ちなみに今回は参加者が大会過去最高で101組とのことだ。)
大会後、彼らと話す機会があり彼らから「前に比べて飛躍的に上手くなって、とても嬉しい」と言われことは一生の思い出だ。
正直、1年のあいだの10ヶ月くらいはただひたすらタンゴが上手くなりたい一心でタンゴのレッスンを取ったり練習しているが、大会前2ヶ月くらいから大会向けに練習する。別に今までそれでなんの疑問を抱かなかったし、それでとても楽しかった。
しかし、今回初めて予選を通過してみて、決勝、またその先に行くにためには、それではダメなのだろうなとふと思った。
今回決勝に残ったカップルを見て、そのほとんどがプロでずっと二人で一緒に踊っている人たちだが、その中で異様なのはフィリピン人カップルだ。フィリピンにおけるタンゴは、お金持ちのおばさん、まあそのほとんどがおばちゃんがお金でプロのダンサーを雇って毎晩ミロンガ(タンゴのパーティー)に行って踊って楽しむものだ。
その彼らが日本、韓国、中国のプロ達を押しのけて、見事決勝に進んでいる。タンゴでは男性の踊りがとても重要で、一説には「男性が超上手かったら、女性が下手でも決勝にいける」と言われている。
ただ、今回は各国のプロ同士が競った大会で、それでもなぜかおばあちゃま方が金で雇ったフィリピン人男性たちが決勝に残った。見た目、フィリピン人男性たちと各国の男性プロにそれほど大きな差はなかったと思うし、女性だったら長年のパートナーと踊っている各国プロが断然有利なはずだ。
仕事でもプライベートでもよくフィリピン人と付き合いがあるし、フィリピンにも7、8回行ったことがあるので、フィリピンのことはよく知っている。彼らが戦略的に物事を考えて行動することはあまりないので、そんな彼らが大会向けに練習しているとは思えない。
(ちなみにうちのオンラインスクールで一番人気の先生はBelle先生というフィリピン人だ。)
ただ一つ言えることは、彼らは大の音楽好きであり、踊り好きということだ。だからリズム感は抜群だし、踊りが柔らかい。女性に至っては、隙あれば踊っているし、抜群に歌がうまい。
だから、この現象は国民性によるものなのかもしれない。まず間違えなく働くことより、踊ったり歌ったりすることが性に合っている国だ。
だから、根本的には何も深く考えずにとにかく楽しむことを追求していくことがまずは大事なのかもしれない・・・・とまあ、なんの解決策にもなっていないが、大会どうこうもそれはそれで楽しいが、やはり楽しんで踊ることを忘れないでこれからもタンゴを踊っていきたい。