Pain is temporary. It may last a minute, or an hour, or a day, or a year, but eventually it will subside and something else will take its place. If I quit, however, it lasts forever.
Lance Armstron
インドでは国民皆保険が存在しないが、公的な医療機関による診療は無料だ。
【アジア・新興国】インド医療事情と医療保険制度~モディケアとは何か
上記に詳しいが、インドでは公的な医療機関は圧倒的に数が少なく、需要と供給に開きがある。だから国民のほとんど私的な医療機関で診療を受けることになるが、インドでは大多数が「絶対的な貧困層」であるので、彼らにこの恩恵は受けられない。だから、昨年度からモディケアという新しい医療制度を発足させて、理論的に言えば国民の4分の1をカバーできる画期的な制度ができた。
だが、官僚主義なインドでこの新しい制度にどれほどの実効性があるのか疑問もある。それだからこそ、インドでは「医療」が社会的に解決すべき問題として注目され続々とスタートアップが参入している。
発展途上国で新しいテクノロジーが導入されるスピードは先進諸国に比べて数倍、あるいは数十倍のスピードがある。それはメキシコに住んでいるときに実感した。
実際、多くのインド人を施術をしてみて感じたのは、彼らは「治すこと」に関してとても貪欲だ。CS60の施術はかなりの痛みを伴うが、彼らはひたすらそれに耐えて、症状が少しでも改善したら「他のところも施術してくれ!」と懇願してくる。これは日本ではあまりありえないことだ。
彼らからは「この機会を逃したら、もう治すことはできない。」という切実な思いが伝わってくる。今回は1人あたり10分程度ということだったので、彼らのすべての思いに応えることはできなかったが、次回はもう少し時間をかけて施術をしたいと思っている。
(きれいに左腕が上がっているが二日前までは全く腕が上がらず、西村先生に施術をされて症状が改善したとのことだ。それに気を良くして、再度受けたく我々の出発当日に朝ホテルまで押しかけてきた。今度は僕が施術をして、5分ほどの施術でさらに腕をあげることができた。)
日本では無料でCS60の施術をすると、すぐに逃げ腰になる。それはおそらく「いつかは治る。」という希望的観測によるものだ。この国では選択肢がとにかく豊富なので、CS60以外でも確かに治る可能性があるかもしれない。だから、「痛み」から逃げ出そうとする。(特にそれは友人知人に無料で施術すると顕著になる。)
これは個人的な考えだが、「痛み」から逃げても「痛み」は追ってくるので、最終的には自分で引き受けるしかない。それは人生のあらゆる事柄にも言える。自分自身、CS60の施術を受けるときは、ある種の諦観に達している。
「この痛みは自分自身が生み出したものだから、自分で引き受けるしかない。」という諦めだ。そうではないと、やってられない。
冒頭で引用した英文はCS60目黒のビジネスカードの記した名言だ。
「痛み自体は長くは続きません。それはきっと1分、1時間、1日、あるいは1年続くかもしれません。それでもいずれはその痛みは鎮まり、そこには他の何かが代わりにその場所を埋めます。しかし、私が痛みから逃げ出したら、その痛みは一生涯続きます。」
全員が全員そんな心持ちを持つのは無理だと思うが、インドのような発展途上国の人々は「痛み!どんとこいや!」ぐらいの気概を感じる。インド人はCS60と相性がいいのかもしれない。
何かを治すのに痛みが必要だと全く思わないし、それを促進する必要もない。だが、CS60の施術で痛みを感じたら、それを何らかの啓示と思って、暖かく受け入れていただくと施術がより一層はかどるのではないか・・・・まあ、希望的観測かもしれませんが。
では、もうすぐ日本に帰国しますので、今後ともよろしくお願いします。
(痛みが一瞬で過ぎ去り、あっという間に治るそんな夢のような奥義をいつか身に付けたいと思っておりますので、末長くお付き合いくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。)