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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

思春期は人生で最悪な時だ!

アバウト・シュミットを見た。
今巷で話題になっている「サイドウェイ」の監督であるアレキサンダー・ペイン監督が描く、退職後の男が辿る数奇な物語だ。

まるで出来のいい小説のように物語は進む。
その観察眼が素晴らしい。
退職後の男という扱いにくいテーマを取り上げながら、ちゃんと映画という枠内で表現し切っているのがすごい。ドラマがまったくないようなこと自体がドラマだ。

僕は年を取るということは、人生を肯定することに他ならないと思っている。
それは意識的であれ、無意識的であれ同じことだ。
生き続けるということは、それなりに大変なことである。
それでも、その先を見ようと人は生き続ける。
そして、漠然としたまま生き続けた男の末路というものが、この映画で非常に鮮烈な形で描かれている。

意識的に仕事を続けて、人生を生き続けるのは至難の業だとは思う。
仕事に限らず、意識しながら人生を全うするのは難しい。
人はいつのまにか、なんとなく生き続ける生き物ではないだろうか?
なんとなく生きるのが、人生というやつでは・・・・・

退職したあとに、自分の生きた意味がというものが提出されるのは痛い。
やるせない。
願わくば、自分は一瞬一瞬を意識できたと思えるような人生を生きたいと思う。

時々、恐怖を感じるのは漠然とした幸福感を感じるときだ。
なんだかなんとなく・・・・なんとなく自分の人生に満足を見出している自分がそこにいる。
どうしたら十代の頃のように生きること自体に危機感を感じて、生きていけるのだろうか?