Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

やれやれ

イギリスに住んでいる頃、「ガーディアン」という新聞を愛読していた。
とくにその日曜版である「オブザーバー」は全部読み切ろうとすると、半日はかかるんじゃないかと思うくらい分厚い。

世界で最もジャーナリズムが発達した国のひとつだけあって、どの記事も皮肉と示唆に富んでいて面白い。なかでも印象深かった事件は、クリントンのスキャンダルだ。イギリス人は基本的にアメリカという国を毛嫌いしている。それはたとえば「ラブアクチュアリー」という映画でも顕著だった。

ヒュー・グラント演じるイギリスの首相は、最初はアメリカに対して軟弱な姿勢だったのが、とある事件を契機に強硬な態度に出て国中の喝采を浴びる。現在のアメリカ寄り外交に対する国民の意見が十分に反映されているエピソードだ。

対する日本のジャーナリズムは存在しないも同然だ。
それは客観性と批評性というものが欠如しているお国柄のせいではないか?

日本の社会は何事もルールに従わないもの、既成の枠を外れたものを嫌う。それは言い尽くされた言い方かもしれないが、単一民族で構成された国という事実が一役買っている。もとから人種の違う人間なんていないから、みんな同じで当たり前なのだ。

やれやれ、と思う。
ホリエモンに対するまるで犯罪者のような扱いなんか見ていると、もっと彼のような存在も受け入れて、皮肉とユーモアで交じりに捉えた方が楽しいに違いない。
やり方はスマートではないかもしれないが、古くなった既存の価値観はどんどん壊されていったほうがいい決まっている。

価値観や常識なんて時代ともに移り変わるものだ。
普段、自分と違う人種の人々と日常的に接している人々にとっては、このことは当たり前だが、意外とこの国では意識されていないように思える。

ちなみに僕は友人からは奇人・変人扱いされる。
ほんと、やれやれだ。