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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

ソーシャルビジネスについて

金融日記というブログに「グローバル資本主義だけが世界を平和にし、世界の貧困問題を解決できる —米軍ヘリによる民間人誤射殺の映像から考えた事」という記事がアップされていた。

Youtubeの映像自体は、たしかにブログの著者が指摘しているように戦争とはこういうものかもしれない。戦争とは言い換えれば「いかに効率良く人を殺すか」ということだ。当事者がゲーム感覚で人を殺しても、平和な国でのほほんと暮らしてる我々がとやかく言える資格はない。

だから、戦争を引き起こさないためにどうすればいいのか、それを真剣に考えることが重要なのだ。

だが、その解決策としてブログの著者が「グローバル資本主義だけが世界を平和にし、世界の貧困問題を解決できる」と書いていることに非常に違和感を覚える。とてもナイーブな意見だと思う。

インド、カンボジア、フィリピン、インドネシアベトナムなど多くの発展途上国に行ったことがあるが、印象としては「グローバル資本主義の影が忍び寄れば忍び寄るほど、彼らの不幸の度合いは高まる」というものだ。なぜかというと、現地に実際に住んでいる人たちは自分たちがどれほど貧しいかということを正しく認識はしていないし、さらに「グローバル資本主義とは、頑張っても報われるシステムではなく、富んでいるものが貧しいものをひたすら搾取するシステム」に他ならないからだ。

いっそのこと、IPhoneマクドナルド、ブルーレイなど知らずに暮らしてるほうが幸せなのだ。

では、どうすればいいのか?

そこで2006年のノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が提唱する「ソーシャルビジネス」もグローバル資本主義とともに広める必要がある。利益ばかりを追求する人は今後も増え続けるだろうが、ソーシャルビジネスの基本的な考え方である「利益の追求ではなく、健全な利益を得て、社会的な課題の解決を第一義に置く」という新しい形の資本主義も選択可能な社会にしていくことはとても重要だ。

なにも利益を追求することを否定はしない。ただ「努力すれば報われる」というシステムをきっちり途上国の社会に導入していく必要があると思う。

「対等でフェアな人間関係」を築かなければ、たとえグローバル資本主義が世界中に広まっても戦争はなくならない。たいていの人間は、チャンスを与えればそれに応えようとする。そうしない人間は別に相手にしなければいい。チャンスだけは平等に与えるべきだが、それ以降は当人の能力次第だ。

搾取する人にとって「される側の人間」のことなどどうでもいい。彼らに人権すら認めていない場合も多々ある。そんな関係性では相互の国に不信感と憎悪が芽生えるだけで、戦争やテロなどいつまで経ってもなくならない。「ソーシャルビジネス」という名のもとに、そんな一方的な関係だけではなく、誰もが利益を享受できるシステムの導入こそが平和と安定の近道だと思う。