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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

なぜフィリピンは停電が多いのか?:ツイッターの活用

昨日、マニラなどルソン島全域で停電になった。原因は台風だ。

Eight dead after Typhoon Conson hits Philippines

(フィリピンの天気予報は精度が悪く、昨年9月の台風でも149名が事前に天気予報で注意を呼びかけなかったことが原因で亡くなっている。じつは去年の9月にマニラに滞在しており、帰国当日に台風がマニラを直撃した。間一髪で難を逃れたが、そのあとの甚大な被害を聞いて愕然とした)

この記事でアキノ大統領は、天気予報官たちに対して、

"We rely on you to tell us where the potential problems are."
(我々はあなた方に問題が起こりそうなところがどこなのか、教えてもらえると期待している:ようは暗に天気予報が外れたから、こんなに被害が大きくなったと彼らを非難している)

と語っている。しかし、そもそもの問題は天気予報もまともにできず、また台風が来たくらいで首都圏全域で停電になるというインフラの不備が根本的な問題だ。そして、それを解決するのは国の役目、引いては大統領の役目である。

それを全く当事者意識もなく、お門違いの批判をしているアキノ大統領には何の期待もできない。では、なぜこれほどのまでにフィリピンで停電が多いのか、色々と調べてみた。

1. 電気泥棒

フィリピンは物価に比べて電気代が以上に高く、そのために近所の家の電線から自分のところに電線を引っ張ってくる「電気泥棒」が後を絶たない。乱暴な彼らは人の家の電線を外して、盗電をしていくこともあり、そのせいで停電になることもある。また電気代をまともに払う人が少ないので、必然的に電気代が高くなり、高い割には整備が整わないという悪循環に陥っている。

例:とある家庭の一ヶ月の光熱費

2. 計画停電

電気の供給がその需要に追いつかず、計画的に毎日数時間停電させて、突発的な停電が起こらないようにしている。そもそもの原因は発電所施設の老朽化、その能力不足が原因であり、それに異常気象などで水不足が起きると、頻繁に計画停電が行われる。

参考記事:フィリピンのインフラについて

3. 政治腐敗

これがすべての元凶といえる。あらゆる状況で賄賂が必要な社会であり、警察や小役人まですべてこの賄賂が幅を効かせて、効率の悪い社会を形成している。彼らは自分たちがよもや自分たちの首を絞めているという自覚が出来るマクロ的な視点が欠けているので、一向に是正しようとしない。

毎年のように台風はやって来るし、落雷も起きる。だが、そのたびに停電や数十人もの人が亡くなるのは、天災ではなく人災だ。

早くインフラを整備させて、毎年のように起きているこれらの問題を解決する必要がある。ただ国が率先してインフラ整備をするのにも限界があるので、海外の企業が投資を餌に彼らと協力していくしかないだろう。

停電対策として、ワンズワードオンラインでは発電機の購入を検討しているが、電気があってもネットが使えないと元も子もないので、現在それを調査している。

PLDTの傲慢な姿勢

上記記事を読むと、インターネットプロバイダーも全く信用ならないので、対策に苦労することが予想されるが、自分たちが出来る範囲でベストを尽くすしかない。

人もいいし、天候も温暖で、インフラさえ整えばフィリピンほど暮らしやすい国はないと思うが、やはりすべてが揃った国なんて中々存在しない。

トラブルが起きたときにこそ、人の真価は発揮されるが、そういう面では今回のフィリピンの先生方の対応は非常に素晴らしかった。

特にサラ先生が住んでいる地域は電気がいち早く復旧し、早速連絡をもらって代講の手配が出来た。(結局は他の先生方の電気も復旧したので、その必要はなくなったのだが)

またツイッターで台風とそれによる停電の情報を流したところ、多くの会員様より連絡をいただき、先生たちの安否を気遣うツイートをいただいた。本当にありがたいことだ。これからも積極的にツイッターで情報を開示し、現地の情報を伝え、その対処方法を明確にしていきたいと思っている。