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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

ギャレス・マローン:コミュニティを変える力

昨日、たまたまテレビをザッビングしていたら、NHKで「町中みんなで合唱団!(原題: The Choir –Unsung town–)」という番組がやっていた。30そこそこのギャレス・マーロンというイギリス人の若者が、まるで死んだかのようなイギリスの地方都市であるサウスオキシーで合唱団を指揮し、その街に活気と誇りを取り戻させる番組だ。

(街の人々の典型的なイギリス訛りは聞き取りずらいかと思いますが、ギャレスの英語は非常に聞き取りやすい)

何が素晴らしいかというと、わずか八ヶ月で活気も誇りもなかった街に、それらを取り戻させることだ。(ギャレスのリーダーシップの素晴らしさは、このコラムに詳しい)

そういえば、昔モリッシーというイギリスの歌手がエビリディ・ライク・ア・サンディ(毎日が日曜日のよう)という曲で、下記のように歌っていたのを思い出した。

濡れた砂の上を ゆっくり足をひきずりながら

ベンチへ戻ると 服は盗まれている

この海辺の町は閉鎖されそこねた町

ハルマゲドン――ハルマゲドンよ来い!

早く来い!最終戦争よ!

毎日が日曜日 毎日が静かで灰色

(実際の歌はこちらから。ちなみにラジオでは当時放送禁止になりました)

イギリスの地方都市は、本当にとんでもなく陰鬱で気が滅入る雰囲気を醸し出しているところが多い。番組でも黒人の女の子が引越してきた当時は「ニガー、ニガー(黒人野郎!)」と言われて、怖かったと語っている。

そんな気の滅入るような街が、ギャレスによってどんどんと活気を取り戻していく様を見ているのは、本当に気持ちがいい。

日本の地方都市もお世辞にも活気があるとは言えないので、彼のような人に来てもらって、活気を取り戻して欲しいと思った。日本のテレビ番組で地方を取り上げるときは、真面目くさった内容か、「第一村人発見!」的な番組しか思いつかない。

八ヶ月もの間その街に滞在して、彼らときっちりと向きあってコミュニティを再生させるような力強い番組があれば、テレビの訴求力が落ちたと言われて久しい今でも視聴者の心を鷲掴みにするのは間違いない。(後編は10月7日放送です。必見!)