何を隠そう僕はザ・スミスの大ファンだった。
特にモリッシーの詩にすっかりやられていた。高校生の頃は中毒者のように毎日聴いていた。そして、世の中にはそのような日々を送っていた人が数多くいるようで、それが高じてジャニスさんはスミスの曲を全曲カバーするというプロジェクトを立ち上げた。その名も「ザ・スミス・プロジェクト」だ。
楽器を使用せずに、自分の声を何十と重ねて、1曲1曲気が遠くなるくらいの時間をかけてカバーしている。スミスのカバーは数多くあるが、このカバーは本当に素晴らしい。彼女はプロでも何でもなく、死ぬほどつまらないウォールマートでの仕事を、スミスのとある曲を聞いて辞めて、そしてそれと重なるように起きた二人の友人の死をきっかけに長い間諦めていた自分の夢、音楽への道に進むことにしたという。ちなみに彼女が仕事を辞めるきっかけとなった曲は「HEAVEN KNOWS I'M MISERABLE NOW」という曲だ。(出典元:ガーディアン)
I was happy in the haze of a drunken hour
But heaven knows I'm miserable now
(酔っぱらって朦朧としているときは幸せだった。でも今の僕はなんて惨めなのだろう)
I was looking for a job, and then I found a job
And heaven knows I'm miserable now
(仕事を探していた、そして見つけた。でも今の僕はなんて惨めなのだろう)
In my life
Why do I give valuable time
To people who don't care if I live or die ?
(この僕の人生、どうして僕が生きようが死のうがどうでもいいと思っている奴らに、僕の貴重な時間を費やさないといけないの?)
ほんと、その通りです。
時々、仕事がつまらないと相談をされることがあるが、僕はたいてい「辞めちまいな」と言う。そう言っても辞めないのは本当は辞めたくない場合だけだし、辞めたいのであれば背中を押してもらいたからだ。
たいていの会社は、従業員ひとりひとりの個人的な幸せなんてことは眼中にない。彼らはこぞって「会社の利益」ばかりを追求しろと言う。正直、従業員にとって会社の利益なんてどうでもいいことなのに。そんなことは経営者がしっかり考えて、彼らが自分たちの仕事に集中出来るような環境を整えるべきなのだ。いかに会社に利益があがるかなんてことを考えるほど大局的な見方が出来るようであれば、自分で会社を興している。
売上目標、拡大、成長なんて従業員にとってはどうでもいいことだ。
彼らは彼らの幸せを追求するし、本来会社は彼らの幸せの追求に寄与すべきだと思う。
彼らが幸せになればなるほど、会社も潤う、それがあるべき姿だ。
あとはいかにそのような仕組みを経営者が考えるかだと思っている。