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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

謙虚であるということ:世の先生方へ

以前、ブログで紹介した「ザッポス伝説」に書いてあったことに、とても印象的な一文がある。

”「謙虚であれ」というのは、私たちが採用を決めるに当たり、おそらく最も影響を与えるコア・バリューです。面接すると、経験豊富で頭が切れて才能にあふれており、私たちの売上または利益に直ちに貢献すると分かる人たちがいます。

しかし、そういう人たちは非常に利己的であることが多く、結局採用には至りません。大多数の会社では、採用担当のマネージャーが会社にとって大きな価値のあるそのような人材を採用すべきだとたぶん異議を唱えるはずです。おそらく、それが理由で素晴らしい企業文化を持つ大企業が少ないのでしょう。

優秀な人間なんて、掃いて捨てるほどいる。だが、優秀でなおかつ謙虚な人間は本当に稀だ。ワンズワードオンラインの先生面接でも今まで数多くの優秀な人たちを不採用にしてきた。その理由はザッポスと全く同じである。

優秀な人間は優秀な人間が掃いて捨てるほどおり、また上には上がいることを自覚していない場合が多い。そういう人間と話すと、心底退屈する。つい先日も博士号を取得するために実家を離れ、マニラに行くので、融通が利くパートタイムの仕事を探しているというフィリピン女性を面接した。フィリピン側スタッフが課す英語のテストをパスし、尚且つ面接もパスしたので、優秀であることに間違いはない。

だが、本当にうんざりさせられた。

素晴らしい学歴、それに十分な先生経験、なおかつ完璧な英語のテストの結果・・・・・どれを取っても非の打ち所がないかもしれないが、謙虚さのかけらもないそのキャラクターはうちに相応しくないと思い、不合格にした。

彼女のような人から謙虚さを奪う背景もよく理解できる。格安オンライン英会話スクール、とくに韓国系の激安オンライン英会話スクールでは先生の質なんて問われないし、「ただ英語がそこそこ話せればいい」からだ。そのような業界の事情を熟知しているそこそこ優秀な人ほど、傲慢になってしまう。

だからと言って、これはどうしようもない。英語を教えるスキルは今後改善できる可能性はあるが、彼らのキャラクターを変えることは出来ない。うちは新興宗教ではなく、ただのオンライン英会話スクールだから。

専門家になればなるほど、「謙虚であれ」という教えを深く胸に刻むべきだと思う。世の専門職の方々の傲慢さを見るにつけ、本当にそう思う。肩書きに先生が付く、大学教授、医者、弁護士、税理士、その他諸々の人々にも「ザッポス伝説」をぜひ熟読してもらいたいものだ。