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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

フィリピンの黄昏と夜明け

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昨日の深夜から早朝にかけて、台北からマニラへと飛んだ。

朝、起きてみると曇天だった。普段は曇天にありがたみを感じないが、猛暑が当たり前のフィリピンに来ると、この上ないありがたみを感じる。

雨も降り始めたので、アジア最大のショッピングモールと言われるモール・オブ・エイジアに足を運んでみた。ここだったら屋根があるので、雨が降ろうが槍が降ろうが関係ない。

すでに先進諸国の仲間入りを果たしている台湾からフィリピンに来ると、「アジアに来たな」と感じる。タクシーに乗ったら、すぐにぼろうとするし、お店に入ったら客をそっちのけで自分たちの会話に夢中になっている。

ショッピング大好きなフィリピン人だけあって、フィリピンにはやたらとショッピングモールがある。そのなかでも規模は最大なので、歩くだけでも疲れる場所だ。

フィリピンの物価は日本のだいたい2分の1から3分の1と言われているが、このようなショッピングモールで買い物できるのは、人口の5%弱と言われている富裕層、10%強と言われているアッパーミドルクラスだけだろう。ワンズワードオンラインに所属出来るような先生たちは、最低でも大学まで卒業している人に限られるので、随分と恵まれている環境に育った人たちが多い。

この国の一番の課題は、その他大勢の貧困層の人々にチャンスを与えて、国の経済発展に寄与してもらうかだが、そのために一番効果的な国の公共事業汚職のせいでにっちもさっちも行かなくなっている。

ワンズワードも「REAL LIFE FOUNDATION」の活動を通じて、彼らにチャンスを与えようとしているが、まだまだ生ぬるいやり方だなと思っている。セブ島のとあるIT企業は、当初は大卒ばかり雇っていたが、彼らは嘘ばかりつくので、採用を高卒に絞って1から鍛えて大成功を収めているという。「英語の先生」という職業だと、どうしても育った環境によりその能力に差が出てしまうので、IT関係などの全く違った仕事だとそのような採用方法もありかもしれない。

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この国では努力しても、どうにもならない現実がある。努力してどうにかなる環境にいる人たちは、その現実をあまり理解していない。努力して報われる社会にいるのは、世界のなかでは一握りの人たちに限れられている。

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まだ目の前のことで精一杯だが、せっかくフィリピンという国に関わりを持ったのだから、少しでも貢献出来たらとは思っている。時々、JOY先生とかには「大統領になれば?」と冗談めかして言うが、根本的な問題は政治が徹底的に腐っていることだろう。そこが変われば、劇的に変わる可能性もあるのだが、イメルダ夫人がいまだ圧倒的に人気があるこのような国の政治が変わるのはいつの日になることやら・・・・