Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

タンゴと文学とブエノスアイレスについて

週二回、タンゴに通っている。

ブエノスアイレスと言えば、タンゴ」だろうと思い、安易な気持ちで通い始めた。正直、最初は苦痛だったし、今でもたいして楽しくはない。しかし、まだ初めて2ヶ月近くが過ぎたばかりなので、もう少しは続けてみようと思っている。語学と同じで、タンゴの習得には時間がかかると思っているので、「あきらめ半分」で粛々と通っている。何事も最初は諦めて、深くは考えずにとにかく続けるのが何かを習得するためのコツかもしれない。

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通っているタンゴスタジオの近くに「カフェ・トルトーニ」という1858年にオープンしたブエノスアイレス最古のカフェがある。アルゼンチンが誇る作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスも常連だったという。(ちなみにラテンアメリカ文学は独特の味わい深い本が多く、以前に横浜の大倉山に住んでいたとき、大倉山の図書館で散々借りて読んだ記憶がある。ものすごくマイナーなセレクションで素晴らしい本が揃っていた。なぜかほとんどがラテンアメリカの文豪、あるいはイタリアの作家イタロ・カルヴィーノなどが中心だった)

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ぶらぶらとブエノスアイレスの国会議事堂付近を歩きながら、まさか自分がラテンアメリカに住むとはあの頃は想像もしていなかったなと述懐した。ただ言えるのは、あの頃に読んだラテンアメリカの文豪たちへの違和感は今でも感じている。そのような自分の感覚とはほど遠い肌感覚に惹かれて、ここまで辿り着いたのかもしれない・・・・・こじつけかもしれないが、「理解し難いもの」に関して惹かれるのは人間の性でもある。そうして、地球の裏側に来たり、宇宙に行ったり、まだ見ぬ土地へ、いまだ存在していない「何か」に向けて人は突き進み続けるのだろう。