Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

これからのワンズワードのあり方:グローバルでのソーシャルビジネスの実践

現在、先生はすべてフィリピンで雇用しているのだが、なぜかというと、日本とフィリピンの経済格差が大きく、うちの雇用条件だと先生として優秀というだけではなく、「人として優秀な人」を雇用できるからだ。

システム的には多言語(スペイン語、ドイツ語、フランス語など)に展開できるビジネスモデルだが、上記のようなコンセプトで今の価格を維持するとなると、ほかの言語で展開出来る可能性は極端に低くなってしまう。

例えば、ここブエノスアイレススペイン語の先生を見つけること自体はそれほど難しいことではないが、今の価格を維持して「先生として素晴らしく、人間的にも尊敬できる」というような人材確保は不可能に近い。(ちなみに人が趣味として費やすお金は5000円〜1万円までが一般的とのことです)

ほかのもっと物価の安い南米(ボリビアなど)であれば可能であるかもしれないが、今度はインフラの問題も出てくるので、これもまた実現の可能性が低くなってしまう。

ただ日本というマーケットだけではなく、もっとグローバルに考えれば、うまくいくかもしれないが、本当にスペイン語を習いたいヨーロッパの人たちは実際にスペインに行くだろうし、アメリカ人は地理的に近く物価も安い南米諸国に行くだろう。

また彼らは「言語を継続して勉強する必要性」がそれほどある人たちではない。日本語や中国語を習うのであればいざ知らず、言語的に似ているスペイン語やフランス語を勉強する場合、高校や大学などである一定の知識を身に付けておけば、現地で半年間ほど集中して勉強すれば日常会話は出来るようになる。そして、多くの人はそれで勉強をストップしてしまい、それ以上の努力をすることはないように見える。

このように考えていくと、アジア圏の人たち(特に日本、中国、韓国)の英語に対する勉強熱心さは、世界的に見ればほかに類をみないといっていい。

そうして考えを進めていくと、「スカイプによる言語習得」というのは実はグローバルに展開出来るビジネスモデルではなく、実はとてもローカルなものだと実感出来る。

ビジネスとして考えるとそうなってしまうが、社会貢献という視点から考えると、アジアやアフリカの発展途上国の学校とフィリピンの先生たちをスカイプで繋げて英語を教えるというのは、面白いアイディアだと思っている。(こちらの記事を見ると、発展途上国にインターネットアクセスを提供している団体などはあるようなので、実行に移すこと自体はそれほど難しいことではない。問題はそのための資金をどのように確保するかだと思う)

下手にお金を稼ごうとするよりは、そういうことのほうがやりがいを感じるし、個人的に楽しくやれると思っている。寄付を募ってNGO団体に寄付をするということだけではなく、ビジネスと社会貢献をもっと有機的に繋げて、積極的にソーシャルビジネスを展開していければと考えている。