Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

言語を習得するということは、愛することに似ている

このあいだの週末に、ブエノスアイレスで知り合ったアメリカ人が二年住んだこの地をあとにし、ラテンアメリカを半年間ほど旅するというので、彼のお別れ会に行ってきた。

イギリス人、スコットランド人、アメリカ人、それにアルゼンチン人たちが色々と集まって、それなりに楽しかった。主にイギリス人たちとスペイン語で会話をしたのだが、彼らと話してみて、やはり英語にない文法や動詞活用などは、彼らも全く使いこなせないのだなと思った。

とあるスコットランド人などはなんでも未来形である「ir a(英語で言うところの be 〜ing)」を使うことによって動詞活用を免れていた。(「ir a」のあとは動詞の原形が来るので、それを常に使うことによって、不規則に変化する動詞活用を避けることが出来る)

動詞活用などは暗記するだけなのでまだましだが、英語の文法にない用法が多々あるスペイン語はある一定のレベルにいくと、スペイン語で考えないと本当にきちんと話せないなと痛感した。

ただ彼らから総じて感じられるのは、スペイン語という全く違う言語体系を持つ言葉に対しての、尊敬心のなさだ。ボキャブラリー自体は英語と非常に似ているので、最初から「どうせ英語とたいして変わらない」的な態度で学んでいる人が多いので、いつまで経ってもスペイン語英語(ここではSpanglishと言われている)から抜け切れない。

自分自身も英語で考えてスペイン語で話しているので、彼らのことをとやかく言う資格はないのだが、彼らみたいになりたくはないなと思った。(言語レベル的には一緒なので、このレベルで一生留まるか、次のレベルである上級者になれるかの瀬戸際だと思う)

最近、スペイン語の先生たちに口を酸っぱくして言われるのは、「あなたのレベルならば、こういう風に話さないとだめ」ということだ。

それがことごとく英語にない用法なので、正直四苦八苦している。スペイン語で学ぶべき文法はすでにほとんど学びはしたが、それを実際に口頭で使いこなせるようになるのは、どんなに少なく見積もってもあと1年はかかると思っている。(週最低でも10時間勉強し、それ以外でもスペイン語に触れる機会を作ってという意味での一年だ)

もちろん、コミュケーションを取るという意味では別にスペイン語英語でいいのかもしれない。でも、なにか聞いていて気持ち悪い。イギリス人やアメリカ人が話すスペイン語は言いたいことは分かるが、それはスペイン語ではない。正しい、正しくないという問題ではなく、言語習得する上での最低限のマナーとして、習得する言語への尊敬が足りない。

アルゼンチン人の人たちが聞いていて心地よいスペイン語使いになるのが、今の自分の目標だ。きっと、それはずいぶん遠回りの道かもしれないけど、それだけの時間とお金を費やしても得るべき価値はあると思っている。