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旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

とある語学学習者のたしなみ:複数言語を習得するということ

最近はブエノスアイレスでも、友人知人が増えてきており、スペイン語でのコミュケーションもかなりこなれてきている。

マテアス先生にこっちのスラングや特有の言い回しもばっちり教わっているので、ポルテーニョ風味のスペイン語を操りながら、彼らと親しくなっている。(ポルテーニョとはブエノスアイレスっ子という意味です)

「When in Rome, do as the Romans do.(郷に入れば郷に従え)」と言う言い回しがあるが、どうせブエノスアイレスに住むのだから、最初からアルゼンチン訛りのスペイン語を身につけようと心に決めていた。

スペイン語は特に国と地域によって発音も訛りも、それに使う語彙も全く違っており、どの国のスペイン語を習うかによって、その先の未来も決まる。

スペイン国内だけ取ってみても、南と北のスペイン語は全く違っており、特にアンダルシアあたりのスペイン語はアルゼンチン人でも理解しがたいとのことだ。(南米では、彼らにとって難しいのはメキシコ人のスペイン語らしい。時々テレビでメキシコの映画など見たりするが、確かに理解不能な場合が多い)

先週も、とあるアルゼンチン人のことを「 No tiene código. (全く節操ないよね)」と言ったら、アルゼンチン人の友人が「マジ、ポルテーニョみたいな言い回し使うよね!」と言われた。

これも何もかもマテアス先生のおかげだったりするわけだ。

自分がスペイン語でのコミュケーションを取る対象としているのは、あくまでポルテーニョなので、彼らが使う語彙や訛りを習得する必要がある。

だが、例えば日本で英語を習っているような場合だと、状況は違ってくる。やはりそこはあくまで共通の言い回し、明瞭な発音を目指すべきであり、アイリッシュ訛りの英語やイギリス人のブラックユーモアなんて身に着ける必要性はない。

スペイン語を勉強してつくづく思うが、英語はひたすら「簡易化」を目指してきた言語なので、だからこそ世界共通語となり得たが、スペイン語に比べると個性にかける。(ロンドンに住んでいるときにコロンビア人の友人が「スペイン語のほうが英語に比べて言語的にもっと表現豊かで美しい」と言っていて、そのときはなんとなく気分を害したが、今となっては彼女が正しいことが実感できる)

英語では訛りの違いはあるが、スペイン語のようにその地域、その国でしか使わない表現というものは、それほど多くはない。だからこそ、世界中の人が分かり合える素晴らしい言語とも言える。(スコティッシュ訛りやニュージランド訛りは強烈だけど、スペイン語の場合は、それに加えて語彙自体も違ってくるので壊滅的だ)

このスペイン語という言語は、もう日常的な表現でその地独特の表現がたくさんあるので、スペイン人がいきなりポルテーニョたちと仲良くお付き合い出来るかと言うと、全然そんなことはない。

「英語、英語」とみんな言っているが、どの国の英語を指しているのか時々疑問に思う。

僕自身にとって英語とは、「英国、とくにイングランドで話されている言語」という認識なので、今でも読む新聞はイギリスの新聞だし、聞く英語はBBCだったりする。そうして、言語の裏にある文化を学んでいる。

仕事のため、資格のためと割り切って英語やほかの言語を勉強するのもいいが、「言葉を覚える」本来の楽しみは、本当はその国の文化をより深く知ることにあると思う。

あと1年もすれば、立派なポルテーニョ・ハポネス(ブエノスアイレスっ子の日本人)が完成するだろう。今からその時が楽しみだ。

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