千里の道も一歩からということわざがある。
スペイン語を毎日のように勉強していて、いつもよく思い浮かべるフレーズだ。スペイン語の勉強を始めてから1年以上が経過して、ある程度無理なくコミュケーションが取れるようになっては来ているが、それでもまだまだ先は長い。
自分の最初の計画は、「毎日勉強して、2年でスペイン語の1人前の使い手になる」という大雑把な計画だったが、その計画はある程度順調に進んでいる。
英語でもスペイン語でも、「3ヶ月くらい毎日やれば、ペラペラになれる」と心底思い込んでいる楽観的なのか、ただのアホなのかよく分からない人たちがいる。もちろん、1日8時間くらい勉強すれば、ある程度まではいくだろうが、それでも限界がある。
イギリスやここブエノスアイレスでもたくさんそういう人たちも見てきている。
Learning Egyptian Arabic to fluency in 3 months… in Brazil! Benny’s new language mission!
そういう意味では、以前も紹介したことのあるアイルランド人バニーさんの取り組みである「アラビア語をブラジルで習得する」という一見馬鹿げたアイディアは意外と的を得ている。
彼は3ヶ月間、毎日8時間程度勉強して、CEFRで言うところのB1からB2(中級者)を目指すスタイルで11ヶ国語をマスターしている。
実際のレッスンはすべてスカイプレッスンで行い、あとは自学自習しているので、別にブラジルだろうが、北極だろうがどこでもいいわけだ。
一部、頭の固い言語学者や語学学習者は、「三ヶ月で語学をマスター出来るわけがない!」と批判しているが、彼も「外国語を完璧に話す必要もなく、3ヶ月でコミュケーションがある程度取れるようになる」ということを目指していると言っているだけだ。
ちなみに1日8時間勉強して、それを90日続けると合計勉強時間は720時間となる。そして、例えば自分のようなケースだと週5日、1日3時間勉強して、それを1年間続けると合計勉強時間は780時間となる。
その差は誤差60時間となるので、彼の言っていることがあながち検討はずれではないことが体感的に理解出来る。ただ学習したことすべてをそれほどまでの短期間で運用レベルまで持っていくことが出来るかどうかは疑問の余地はあるが、多くの言語を勉強した経験でそのあたりのことをクリアーしている可能性もある。
また現地に住むメリットは「現地の人とコミュケーションが取れる機会が多い」ということだが、これはある程度話せるようにならないとコミュケーションなんて取れないので、そのメリットが出てくるのは彼の場合だと3ヶ月以降、自分のようなケースだと1年目以降だと思う。(実際、今はアルゼンチン人の友人が何人も出来、彼らとマンツーマンで話したり、数人で会話したりする機会が飛躍的に増えた。1年目はそのような機会は皆無に近かった)
そのようなことを合わせて考えると、死ぬ気になって3ヶ月間、1日8時間勉強して、それから留学するなり現地に就職するなりすれば、現地ではコミュケーションを取りながら実際に使う語彙や表現を学べるということなる。
いずれにせよ、ハードコアだ。
普通に仕事しながら英語やスペイン語などの習得を日本で目指すのであれば、毎日1時間勉強して、それを3年間続けてB2レベルを目指すということが現実的ではないだろうか?
千里の道も一歩からということだろう。