Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

2012年10月17日に起こった奇跡について語りたい:ワンズワードのターニングポイントと革命

10月17日、ワンズワードの先生たちがフィリピンのタガイタイで一泊二日の研修旅行を行った。

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ここニカ月ぐらい、週一回開かれるフィリピン側スタッフとの定例のスカイプ会議はずっとこの研修旅行についてだった。そもそもの発端は今年の3月に僕がマニラに行った時に、「先生同士もっと仲良くする機会を設けて欲しい」と言ったことだ。

でも、僕が言う前に彼らもそのことについて考えていたらしく、3月の時点でタガイタイに行って研修するのはいいアイディアかもしれないと言ってくれていた。僕がしたことと言えば、せいぜい彼らの背中をちょっとばかり押したことぐらいだ。

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ただ僕にとってはこれは画期的なことだ。なぜなら、僕が何一つせずに、彼らが自主的に行動して、場所を決めて、研修内容を一から組んで、それを実行に移したからだ。

僕がせいぜい言ったことと言えば、「請求書は僕宛に全部送ってね」ということと、「先生がびた一文払う必要がないように、すべての費用をワンズワードが持つこと」またさらに「1日彼らが働けない分は日当分としてきちんとワンズワードが払う」ということだ。

まあ、ぶっちゃけ日本の会社として、至極当たり前のことをしたまでだ。そしてぽろっと「せっかく、みんな集まるのだから、マッサージにでも行ってリラックスしてくれば?」と言ったことを彼らがきっちりと実行に移したことも付加しておく。

3年前にオンライン英会話スクール「ワンズワードオンライン」は立ち上がったわけだが、そのときに「先生にとって、ベストな労働環境を提供する」ということを第一目標に挙げた。先生がハッピーじゃなければ、その先生たちに教わる生徒様も当然不満足だからという理由も一端にはある。

でも、その根底には「優秀な人たちをきちんと評価し、彼らが継続して喜んで働けるような仕事を提供する」というものがあった。優秀な人たちが、彼らの性根の良さを利用して搾取されるような状況に我慢がならなかった。

でも、立ちあげ当初、僕のことを信じた人はいなかったと思う。僕がどれだけそのことについて本気か、誰も心底には理解していなかったはずだ。

そうして、3年が経った。

僕はもうこのことについて一生懸命説明する必要がなくなった。ワンズワードで働く先生たちは、いかに自分たちが恵まれた環境で働いているか自覚するようになり、それを自分たちのあいだで共有するようになった。

僕たちの冒険があと何年続くか分からないが、2012年の10月17日は僕にとって一生忘れられない日になった。きっとこれがワンズワードのターニングポイントだろう。

僕はワンズワードで唯一のビジョナリーではなくなり、みんな僕の価値観を共有し、それをほかの人たちに広めてくれる。

僕たちのオンライン英会話スクールはとてもちっぽけな存在だ。吹けば飛んでしまうようなそんな儚い存在であることを自覚している。そして、根本的な問題は僕たちが自分たちのこの価値観を変えない限り、それほど大それた成功を期待出来ないことだ。

でも、僕にとって・・・・・少なくても今はこのプロジェクトが大成功したと言える。3年前、誰も信じなかったアホみたいな無垢な価値観である「先生たちにとって、ベストな労働環境を提供する」ということを今では誰も疑ってはいないからだ。誰もが僕が本気であり、それをベースにしてこのスクールを運営していることを自覚してくれている。

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ワンズワードオンラインにという場所にとって、僕はもう先頭を走る必要がなくなったのかもしれない。彼らは世の中には、彼らのことをきちんと評価し、損得抜きで賞賛してくれる存在がいることに気づいたはずだ。

でも、僕の彼らに対する期待感は「優秀な英語の先生」だけにとどまらない。願わくば、停滞しているフィリピン社会を根底から変えて欲しいと願っている。もちろん、これは自分勝手な思い込みに過ぎない。しかし、考えてみて欲しい。

3年前、誰も僕のことを信じなかったことを。

僕は適切な人たちを選び、彼らを信じ、彼らが自由に行動出来るように仕向けることには長けている。僕たちは確かにちっぽけだけど、小さな革命を起こしたことは確かだ。それをもっと大きなものに発展していければ素敵なことではないか。

僕は意外と欲深い。

彼らはもっと出来るのではないかと勘ぐっている。

そうして、色々と策謀を巡らし、また3年後、ひとつの新しいターニングポイントを迎えていられれば素敵なことだと思っている。