Keep My Word

旅とタンゴをこよなく愛する。カラダナオル創業者。

飽きない国アルゼンチン:地球の裏側より愛を込めて

じつは新しいマンションに引っ越してからインターネットには苦労している。当初はビルのオーナーであるこのビルのデザインをした建築家の人がすべてを手配する予定だったのだが、いつまで経っても埒が明かないので、自分で申し込んだ。

それはそれでうまくいき、無事インターネットは開通したのだが、先週の金曜日にケーブルテレビをインストールするために男二人がやってきて、せっかく繋がった我が家のインターネットの接続を切断して帰ってしまった。ちなみにケーブルテレビ自体も未だ映らない。

そんなことで、別にもう動じたりしない。

早速、コトが起こった当日の金曜日に街の中心街に行って、月曜日にエンジニアに来てもらう手配をした。そして、その月曜日(昨日なんですけどね)待てど暮らせど、そのエンジニアはやって来なかった。

正直、ここまではよくあることだ、この街では。

だから、また再び彼らのオフィスに行って、修理の手配をお願いしたのですが、下記そのやり取りを一問一答形式で記させてもらいます。

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背の高い日本人:あのー、今日来る予定だったエンジニアの人が来なかったのですが・・・

ケーブル会社の受付(ゲイの男の人:体を常にくねくねさせている):あー、来なかった?ちょっと待ってね。(と言いつつ、どこかへと電話する)

あー、ほんとだ!たしかに今日、君んち行かなかったみたいだね!なんか前の仕事で手間取ったみたいだ。

背の高い日本人:はい。で、明日来てもらうことは可能でしょうか?

ケーブル会社の受付:うーん、君は知らないかもしれないけど、明後日この国、祝日じゃん。だから、予約を前倒しして、明日は予約で一杯なんだよね、だから木曜日でいい?

背の高い日本人:それはちょっと・・・明日無理ですかね?

ケーブル会社の受付:うん、無理だね。明日来てもらいたかったら、ここにもっと早く来てもらわなきゃ、困るよ。

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ここで説明しよう。

ケーブル会社から前日に確認電話(自動音声)がかかってきて、まず一度確認し、来る当日だった月曜日の14時に「いまから16時まであいだにに弊社エンジニアが伺います」というような確認電話が来る。それに答えて、ようやくエンジニアが来る段取りなのだ。

まあ、時間通りに来るはずがないので、昨日は17時過ぎまで待っていたのだが、来なかったのでバスに乗ってわざわざ出かけていって、彼らのオフィスに行ったのだった。だから、そもそも彼らのオフィスに早く行くのは時間的に無理だったのです。

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ケーブル会社の人:あとさ、ケーブルテレビを契約しているけど、それは映るの?

背の高い日本人:いや、じつはまだテレビを買っていなくて。

ケーブル会社の人:あっ、そう。じゃあさ、木曜日までにテレビ買っておいてくれる?

背の高い日本人:別にケーブルテレビはどうでもいいので、とにかくインターネットを繋げてください。

ケーブル会社の人:いや、木曜日までに買ってもらうと、同時にケーブルテレビが映るかどうかも確認できるじゃん。また別にエンジニア送ると、こっちに金かかるんだわ。

背の高い日本人:(内心どうでもいいわ・・・と思いつつ)分かりました。

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そして、今日自分が頼んだエンジニアではなく、ビル全体にケーブルテレビとインターネットを配置するエンジニアが来て、無事インターネットが再度開通しました。

ふう。

もうね、ほんとね、やりたい放題だと思います。こちらの人は基本全部、自分の都合でコトを進めるので、それにいちいち腹を立てていたら、きりがないので、なるべく冷静に自分の言いたいことは言って、最低限のことが通るように努力します。

アルゼンチン人に言わせると、「弁護士を通して通告するぞ」「ほかのサービスに契約するぞ」というような脅しが効くらしいのですが、これはたぶんアルゼンチン人特有の大きなジェスチャーで今にも襲いかからんばかりのテンションで言わないと、効果が発揮出来ないのですよ。

そんなテンションないな、とつくづく思います。

それと自分的に面白かったのは、なぜ最初に「うん、エンジニア今日行かなかったね」と自分に報告してきたのかという点です。ここ、たぶん日本だったら「大変申し訳ございません。すぐに代わりのエンジニアを手配します!」などと言ってもらえるところなのですが、この国ではそんなことはあり得ません。

そもそも、わざわざ来なかったことを再度報告されても、こちらになんのメリットもないし、反応にも困ります。

ついでに「なぜ来なかったのか?」そのあたりをもっと追求し始めると、先進諸国のサービスに近づけるのではと個人的に思っています。その代わり、こののほほんとした雰囲気が損なわれるので、個人的にはまあそこはいいかなと思ってしまっています。

飽きないぜ、アルゼンチン!